ワゴン車で暮らす47歳の元歯科医。年収1000万円から“たった3年”で一家離散、ローン完済目前の家を失うまで
車中泊で雨露をしのぐ
「ローン滞納3か月目で銀行から催告書が届き、妻はもうパニック状態。自宅に訪問営業にきた不動産会社の『家が競売にかけられたら近所中にバレる』という話を鵜呑みにし、そうなる前にすぐ家を売却するよう僕に迫りました」 うつ状態で判断力を失っていた高田さんは、言われるがまま契約書にサイン。一家は離散状態となり、現在は彼ひとり友人から譲り受けたワゴン車で雨露をしのいでいる。 酒を飲んで寝落ちし、寒さで目を覚ますこともあるという。無事に冬を越せるかが心配だ。 「全財産は別れる直前に妻から手渡された30万円。今はスーパー銭湯の駐車場やサービスエリアに停車し睡眠をとっていますが、寒さがこたえます。先日、勤務医時代に通っていた喫茶店でモーニングセットを食べようとしたら、200円も値上がりしていて注文せずに退店しました」 物価高で仕事だけでなく、衣食住といったライフラインさえ危うくなる人も多いのだ。 取材・文/週刊SPA!編集部 写真/Shutterstock ―[[家なき中年]の肖像]―
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