「来年は落ち着いて…」激動だった兵庫、県民は大みそかに何を思う?
大みそかの12月31日、兵庫県明石市の魚の棚商店街は、正月用の食材などを求める買い物客らでにぎわった。 【図】告発状が受理された斎藤知事 その主張と今後のポイントは? 県庁の内部告発文書の問題などで大きく揺れた、兵庫県の2024年。この日買い物に訪れた人たちに1年を振り返ってもらうと、多くの人が斎藤元彦知事や11月の知事選について言及した。 明石市在住の女性(49)は知事選を振り返り、「今年、生まれて初めて選挙に行った。投票した斎藤さんが再選されてうれしい」と話した。 「斎藤さんは自分の信念を貫く人だ」と話したのは神戸市中央区の税理士の男性(72)。「今までの責めるような報道の仕方について、マスコミは反省してほしい」 明石市内に住む会社員の男性(43)は知事選を振り返り「結局何が正しいのか分からず、情報に振り回された。来年はこの問題が落ち着いて、明るいニュースが増えてほしい」と期待する。 生まれてからずっと県内に住む神戸市の会社員の女性(33)は、斎藤知事に関連する報道が連日続いたことを念頭に「愛着のある兵庫の、こういうニュースが流れるのは悲しい。来年は落ち着いてほしい。そして本当に兵庫がよくなってほしい」と願っていた。 県庁以外の問題を挙げた人も。 来年に高校受験を控える明石市に住む中学3年の男子生徒は今年、政治家の裏金疑惑問題に関心を持ったという。「日本の政治家、なにしてんねん。僕たちがもらえるお金を増やして欲しい」 暗い話題が多い県内だったが、個人では幸せをつかんだ人もいた。 「今年結婚したんです」。姫路市から毎年商店街に訪れる会社員の男性(33)はそのお祝いにと、妻と一緒にカニを買ったという。「よい年越しになりそうです」と笑顔だった。 今年は物価高が進んだ年でもあった。和食料理店で毎年、年末に焼き鯛(タイ)を販売する「喜楽」の店主の妻(72)によると、今年は仕入れ価格が上がり、タイの値段も高くなったという。 「縁起の良い祝い鯛を食べて、悪い景気をぶっ飛ばしてほしい」(原晟也、原野百々恵)
朝日新聞社