〝女性の像〟は何体ある? 全国の銅像5000体を調べた「銅像探偵団」の答えは 最も多かった女性は
東大の銅像19体、すべて男性とオス 探偵団では?
この5月、記者は東大キャンパス内で銅像めぐりをしました。19体すべてが男性とオスでした。 探偵団で確認した約5000体のうち、女性の銅像はどれくらいあるのでしょうか? 遠藤さんが改めて数えてみたところ、単体だと100体ちょっと。夫婦像を含めると200体近くあることが分かりました。 日本の歴史や社会を反映してか、やはり女性は圧倒的に少ないようです。 銅像製造で知られる富山県高岡市の竹中銅器にも尋ねました。 竹中伸行社長(61)も「女性は少ない」ときっぱり。これまで造ったことがある実在の人物は、隣県・福井ゆかりのお市の方や紫式部。「ただ、アート作品だと圧倒的に女性が増えます」とのことでした。 遠藤さんが女性銅像を分析したところ、単体では「創業者の妻」が多かったそうです。 「夫婦像も合わせて考えると、いわゆる『内助の功』をたたえてきた文化が背景にあると思います」と言います。 女性で最も数が多かったのは、「日本のナイチンゲール」と呼ばれる瓜生岩子(1829~97年)の銅像。今の福島県喜多方市に生まれ、明治時代、孤児や窮民の救済などに尽力しました。同県内を中心に6体、確認されています。 東京・浅草の浅草寺にある像は、女性の銅像としては最も古い明治34(1901)年にできたそうです。
アニメの銅像も… 銅像から歴史を辿る楽しさ
さて現代。近年は、アニメの銅像が増えているそうです。 「ゲゲゲの鬼太郎」などの銅像が並ぶ、鳥取県境港市の取り組みが街おこしの成功例として知られ、各地のアニメ銅像設置の火付け役になった、と遠藤さんはみています。 なお、数の上でも圧倒的王者は「ゲゲゲの鬼太郎」。妖怪を含め、約170体あるそうです。 遠藤さんが今、最も見に行きたい銅像もアニメ関連です。 2020年に大分県日田市の大山ダムにお目見えした、人気漫画「進撃の巨人」の主人公らの像。同市は作者・諫山創さんの故郷で、巨大なダムの壁を主人公らが見上げる構図になっています。 遠藤さんは「ダムマニアではないけれど、ダムとセットでぜひ見たい」と話します。 改めて、銅像の魅力とは? 遠藤さんは「銅像でその人を知り、そこから歴史をたどる楽しさがあります。有名人でも『なぜその場に建っているのか』という問いから、その地域の物語を知ることができます」。 銅像をめぐる旅はこれからも続けていくそうで、「沖縄で、琉球王朝第二尚氏の始祖・尚円王の像も見たいですね。騎乗姿がかっこいいんですよ」と教えてくれました。