父が口座から毎月100万円引き出して「タンス預金」しています。「現金なら相続税がかからない」と言い張ってますが、本当に大丈夫でしょうか…?
自分が死んだ後に家族へ少しでも多くのお金を残したいと思い、タンス預金をしている人もいるかもしれません。しかしタンス預金は脱税にあたる可能性があるため注意が必要です。 本記事ではタンス預金がなぜ脱税になりうるのか、相続税対策としてのタンス預金が税務署にバレる理由について解説します。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
タンス預金とは何か?
タンス預金とは、ある程度まとまった金額を金融機関ではなく自宅で保管することを指します。 かつて日本の家庭ではタンスの引き出しに現金を貯め込むことが多かったため、「タンス預金」と呼ばれているようです。タンス以外に、金庫や机の引き出し、屋根裏、床下など自宅のさまざまな場所で現金を保管することも、広い意味でタンス預金と表現します。
タンス預金は相続税対策になる?
タンス預金と聞くと「何か良くないことをしている」というマイナスのイメージを持つ人もいるかもしれませんが、タンス預金をすること自体は法的に何も問題はありません。自分のお金をどこに保管するのかは個人の自由です。 タンス預金が問題になるのは、タンス預金を相続したのに、財産として税務署に申告しなかった場合です。亡くなった人から財産を受け取ったときに、その受け取った財産の金額に応じて相続税が課されるのです。 銀行口座の預貯金のほか、土地や有価証券、宝石、タンス預金などの現金も相続税の対象となるため、相続したときには税務署にすべて申告する必要があります。 つまり「現金であれば相続税がかからない」というわけではありません。タンス預金の分を相続税として申告していないことが発覚した場合、金額によっては延滞税や過少申告加算税が課される可能性があります。
タンス預金が税務署にバレる理由
自宅に保管しているお金であれば申告しなくてもバレない、と感じている人もいるかもしれません。しかしタンス預金は高確率で税務署にバレるといっても良いでしょう。 なぜなら全国すべての税務署で国税総合管理(KSK)システムが運用されているからです。これは全国の国税局と税務署をネットワークで結び、国民一人ひとりの申告状況や資産状況を一元的に管理するシステムのことです。 不自然なお金の動きがあれば、KSKシステムを通じて把握されます。例えば毎月100万円など通常の生活費としては多過ぎる金額を引き出していると、「相続税対策ではないか?」と疑われる可能性があります。