挑戦者の山崎隆之八段に３連勝して棋聖を防衛し、棋聖戦5連覇で自身初となる永世称号「永世棋聖」の資格を得た藤井聡太棋聖=2024年7月1日午後7時9分、名古屋市中区の万松寺、溝脇正撮影

　将棋の藤井聡太棋聖（21）=名人・竜王・王位・王座・棋王・王将と合わせ七冠=が1日、名古屋市中区の「亀岳林　万松寺」であった第95期棋聖戦五番勝負（産経新聞社主催）第3局で、挑戦者の山崎隆之八段（43）に勝利し、シリーズ3連勝で防衛を決めた。棋聖戦5連覇を達成し、自身初となる永世称号「永世棋聖」の資格を得た。 【写真】「永世棋聖」の称号を獲得し、記者会見する藤井聡太棋聖=2024年7月1日午後9時9分、名古屋市中区の万松寺、溝脇正撮影 　藤井棋聖は、21歳11カ月で永世称号の資格を得たため、史上最年少獲得記録も更新した。これまでは、中原誠十六世名人（76）が1971年に永世棋聖で打ち立てた23歳11カ月だった。 　終局後、藤井棋聖は「棋聖戦は初めてタイトルを獲ることが出来た棋戦でもありますし、いろいろ思い出も多いので、棋聖戦で永世称号を獲得出来たことを、すごく、うれしく思います。永世称号ということに関しては今回が最初のチャンスでもあったので、それをつかむことが出来たのは良かったと思います。（「永世称号を獲得したことで歴代の偉大な棋士たちの名前に、藤井棋聖の名も刻まれたが」と問われたのに対し）もちろん光栄なことだと思っていますが、同時に今後の活躍が、より問われるのかなと思っています」と話した。 　永世称号は、タイトルを連続で獲得したり、通算で一定数を取ることで得られる名誉称号で、原則、現役を引退してから名乗れる。獲得条件はタイトルごとに異なり、棋聖の場合は「通算5期獲得」が条件で、藤井棋聖は史上６人目。これまで大山康晴十五世名人（故人）、中原十六世名人、米長邦雄永世棋聖（故人）、羽生善治九段（53）、佐藤康光九段（54）が獲得している。 　中原十六世名人は、日本将棋連盟を通じて「永世棋聖おめでとうございます。17歳で棋聖獲得、それからの五連覇はお見事です。防衛力の強さに感心しました。これからも尚一層のご活躍をお祈りいたします」とのコメントを発表。連盟会長で、7タイトルで永世称号を持つ羽生九段は「永世棋聖の称号獲得、誠におめでとうございます。初タイトルを奪取した時から安定した指し回しでその地位にふさわしい内容だと思いました。スタイルの違う相手とのタイトル戦の連戦は想像以上の大変さだと思いますがいつも周到な準備と研究を披露されています。今後の益々の御活躍を期待しております」とコメントした。（佐藤圭司）