最大で500億円の取引になる可能性も…中国人富裕層が狙う「イセコレクション」高級陶磁器の行方
皇帝マーク入りが欲しい
イセコレクションの中国陶磁器の具体的な売却方法は、現段階では未定とされているが、前述の美術評論家はこう語る。 「イセコレクションの中国陶磁器は、西洋絵画に比べると金額こそ大きくはないものの、非常に質が高く、来歴も素晴らしいものばかり。これほどのレベルのものは半世紀かかっても収集不可能です。管財人とはいっても中国陶磁器や茶道具には素人。売却する際はその道のプロや有識者のアドバイスを十分に聞いてやってもらいたい」 そのイセコレクションをのどから手が出るほど欲しているとされるのが、中国の新興富裕層だ。彼らの動向に詳しい美術関係者が明かす。 「短期間で世界屈指の経済大国に成長した分、成熟した美術文化はまだ中国に根付いていません。古美術商や国営のオークション会社もここ数年で誕生したものばかり。日本のような目利きがいないので、買い手も芸術的な良し悪しではなく、『値段が高いものほど価値がある』という意識しかありません」 そんな中、彼らが世界のオークション市場で狙っている中国陶磁器が存在するという。明朝初期から清朝中期にかけて官窯で製造された「王朝名・皇帝名・製造年号名」が焼き込まれた名品がそれだ。前出の美術業界関係者が続ける。 「中国は文革の時に美術品を『旧時代の文化』と認定し破壊しましたが、いまになってその価値に気づいたわけです。皇帝マーク入りの陶磁器を購入することで、彼らは『国外に流出した自国の宝を買い戻した』と、愛国心に似た感情を持てるようで、かつて自国の官窯で製造された陶磁器を世界中で買い漁っている。習近平主席もそうした行動を奨励しています。 真の名品は宋代に製造されたもので、市場に出れば一点数十億円はする代物ですが、中国人富裕層にはブランドである皇帝マーク入りの方が価値が高い。われわれが1000万円と考えるものに、彼らは3000万円でも4000万円でも出してきます」
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