【ライブレポート】汐れいら、アコースティックツアー完走!次ツアーでの再会を約束
■2025年2月からツアー『USHIO REIRA One Man TOUR 2025 “GABUGABU”』を開催! 【画像】汐れいら ライブ写真(全5点) 汐れいらの初アコースティックツアー『汐れいら Acoustic Tour ナラタージュ F/』が、12月18日、東京・duo MUSIC EXCHANGE公演にて幕を閉じた。本稿ではそのオフィシャルレポートを掲載する。 ツアータイトルの『ナラタージュ』とは映画の技法のひとつで、ある人物の語りや回想によって過去を再現する手法のこと。自分の身に起きた出来事よりも“誰かのお話”を歌にしてきた汐は、いわば音楽のストーリーテラー。ツアーファイナル公演では、サポートキーボーディスト&ドラマーを迎えた編成で、全13曲の“物語”を奏でた。 1曲目は「備忘ロック」。彼女のことでしか曲を書けないバンドマンを主人公としたバラードを、汐がアコースティックギターを弾きながら歌い上げると、観客は静かに聴き入った。色彩は淡く、しかし凛とした汐の歌声は月明かりのように美しい。その魅力的な声質、繊細な表現が、シンプルな編成によって際立っている。曲の主人公の心の波を象ったような歌に、胸を熱くさせられた。その後、観客と声を合わせて乾杯し、ライブが本格的にスタート。セットリストの中盤には日替わりのカバーコーナーが設けられ、ツアーファイナルでは、小田和正の「たしかなこと」のことが披露された。汐の澄んだ歌声が、原曲とは異なる主人公像を聴く人に想像させる。 アコースティックサウンドは場内に和やかなムードをもたらし、汐は時に制作エピソードを語りながら楽曲を歌い届けた。例えば、「恋愛って1個1個終わっていくもので、今している恋愛が一番大事な人が多いと思うんですけど、今までの恋愛が無意味ということはなくて。1個1個の積み重ねが今の自分や、相手への態度、受け答えを作っているなと思いながら書いた曲です」と語られたのは「糸しいひと」。歌声の余韻がライブハウスに響く中、自分の過去に想いを馳せていた人もいたことだろう。さらに汐は、「今までは自分のことを書かないことが多かったけど、去年“この気持ちを曲にしたい”と思った出来事があって」と心境の変化を語ったあと、新曲「だんまりの中にもたんまり」を披露。シンガーソングライターとしてのあらたな芽生えを飾らずに届けると、観客はリズムに合わせて手拍子し、彼女のことを祝福した。 ライブの終盤では観客が椅子から立ち上がり、ステージに歓声を飛ばすなど大いに盛り上がった。「味噌汁とバター」を演奏しながら、汐が「みんな、今日は最高だった?」と尋ねると、客席から「気分は最高!」とレスポンスが。ラストに「ビーボーイ」が届けられ、全曲の演奏が終了すると、観客が拍手や歓声を送った。汐の「楽しかった? また会いに来てくれる?」という問いかけに、拍手の音量がさらに上がる。「そしたら美味しいお酒が飲めますわ(笑)」と満足気な笑顔を浮かべた汐は、その後観客と再び乾杯。2025年2月から始まるツアー『USHIO REIRA One Man TOUR 2025 “GABUGABU”』での再会を約束し、ライブを締め括った。 TEXT BY 蜂須賀ちなみ PHOTO BY sotaro goto
THE FIRST TIMES編集部