今年の東京オートサロン エンジンへのこだわり
「報道部畑中デスクの独り言」(第358回) ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム。今回は、東京オートサロンについて― 【写真全11枚】コンパニオンももちろん健在
今年(2024年)に入って大きなニュースが次々と入ってきています。私は科学技術、自動車、防災、経済、政治と担当しており、それぞれの分野は時期によって、繁忙期、閑散期などの“波”があるものですが、いまはどの分野も「ピーク」と言えるような状況です。 そんななか、いささか旧聞にはなりますが、1月12~14日、千葉県の幕張メッセで東京オートサロンが開かれ、足を運びました。主催者発表では3日間の来場者は23万73人で、昨年(2023年)より5万人以上増加。新型コロナウイルスが5類に移行してから初めての開催とあって、一般公開の日は足の踏み場もないほどの盛況でした。
レース仕様にチューンアップされたスポーツカー、車中泊もできるよう豪華な内装のワンボックスカー、軽自動車のキャンパー、キラキラと輝く外装にドレスアップされたクルマ、過激さはやや薄れたものの、コンパニオンの皆さんは健在……オートサロンならではの風景がそこにありました。 一方、昨年の小欄では「東京オートサロンにも環境対応の波が……」とお伝えしました。改造車、カスタムカーの祭典である東京オートサロンですが、今回もそれぞれの道で模索しているように感じました。
まずは完成車メーカー、トヨタ自動車はレクサスブランドのEV=電気自動車「RZ」の特別仕様車を公開しましたが、展示場所はステージ脇のいわゆる「平場」。ステージの主役はモリゾウこと豊田章男会長の「愛車コレクション」、カローラやセンチュリーのGR(GazooRacing)バージョンなどが展示されていました。クルマはEVだけじゃない……これらの愛車コレクションにはそんな主張を感じます。
「カーボン・ニュートラルの山の登り方は国や地域によって違う。エンジン部品をつくっている仲間たちは日本を支え、これから日本を強くしていく技を持っている人たち。この人たちを失ってはいけない。いままでやってきたあなたたちの仕事を絶対に無駄にはしない。カーボン・ニュートラルに向けた現実的な手段としてエンジンにはまだまだ役割がある。動力は何でもいい。真実はいつも1つ、敵は炭素ということだけ」 トヨタ自動車のブース、豊田章男会長はドライバーネーム「モリゾウ」としてあいさつし、このように語っていました。