「新4K」の建設現場を伝えるゼネコン業界の親子向け現場見学会「けんせつ探検隊」
日建連がけんせつ探検隊を始めるようになったのは、国土交通省の建設業課から女子の小・中学生を対象とした現場見学会開催の協力要請があったためだ。 折しも、建設業における女性活躍推進について、官民一体となってさまざまな展開をしているところだったこともあり、日建連はこれに賛同。「けんせつ小町活躍現場見学会」としてスタートした。 コロナ渦でいったん中止となったが、2022年度に再開した際に「女の子だけでなく、男の子も参加対象とし、女性が主体に活躍する現場だけでなく幅広く展開することとした」(日建連の中井常務)。それに伴って、けんせつ探検隊に名称を変更した。
■「建設現場はきれい」と保護者 見学してもらう工事には多様性がある。オフィス、マンション、野球場といった建築分野、そして高速道路の橋梁やトンネルなどの土木分野までと幅広い。しかも会場は北海道から沖縄までと全国津々浦々にわたる。 関係者が苦心して続けてきたイベントだが、ここにきてようやく効果を発現しはじめている。 「建設の現場って、すごくきれいなことがわかった。トイレもきれいだった。タブレットを持って仕事をしている人もいて、進化しているんだなと思った」。長男の付き添いでけんせつ探険隊に参加した寺田朋美さん(30代)は、現場の環境が改善していることを敏感に感じ取っていた。
江戸東京博物館の工事現場では、施設内にカップラーメンやカレーなどを販売する売店が設置されている。職人が外に買い出しに行く手間を減らすためだ。トイレはもちろん水洗で、シャワールームも設置している。 「環境が整った現場でないと、今は協力会社も来てくれない。協力会社は職場環境を見て現場を選んでいる」。塩見和範作業所長(大成建設)はそう話す。 中井常務は「現場を見ていただいて、(労働環境が向上していることを)実感していただくのが大事。地道だけども、ちょっとずつ積み重ねてきた」と力を込める。