美祢線100周年記念ラッピング車両乗車会 ラストランに全国から120人【山陽小野田】
美祢線全線開通100周年を記念したラッピング車両の「さよなら乗車会」が24日、JR厚狭駅を中心に行われ、全国から集まった鉄道ファンら120人が同線の象徴だった石炭貨物車をイメージし黒色に塗られた車体や車窓からの風景を楽しんだ。JR美祢線利用促進協議会(会長・篠田洋司美祢市長)主催。 ラッピング車両は100周年のプレイベントとして昨年3月末から運行していた。6月末からの大雨で橋梁(きょうりょう)が崩れるなどの被害で全線運休となったため、3カ月しか運行していない〝幻の車両〟を「もう一度見たい」という要望が多く寄せられ、ラッピング期間が8月末で満了することから、一日限定で最後のお披露目をすることになった。 同線が全線不通となっているため、3便が山陽線の厚狭-厚東駅間で往復運行。全国から応募があり、競争率10倍超の中から当選した人たちが乗り込んだ。県内の他、大阪、京都、愛知、遠くは青森から参加した人もいた。 山口市本町の会社員、多賀和雄さん(36)は妻の優子さん(45)、長女のみなみさん(小学2年)の3人で乗車。車体の色に合わせてみんなで黒色の服をコーディネート。「娘は大はしゃぎだった。〝撮り鉄〟で山口線を走るSLなど県内を中心に撮影していて、美祢線も季節ごとに20年ぐらい撮り続けている。早く運行を再開してほしい」と願っていた。 沿線にも大勢の撮り鉄が陣取った。広島など県外ナンバーの車も多かった。岩国市から訪れた男性は「ニュースで知って記念にカメラに収めたいとやって来た」と東高泊の撮影スポットでカメラを向けていた。 乗車会後には厚狭駅の3番乗り場に車両を展示。ラッピング車両を一目見ようと約100人を超える人が詰め掛け、節目を表す「100th」とペイントされた車体を背景に記念写真を撮っていた。