「心の病」につながるネガティブな想像力をかきたてる、現代人を蝕む4つのストレスとは
■知らないことに対して「不安や恐怖」を感じやすい ネガティブな想像力から生まれてしまったのが、共同体同士の争いです。他の共同体が、自分たちの利益を侵害しようとしている、という想像は争いの火種になりやすいものです。ウクライナやイスラエルで続く戦争でわかるように、いまもなお、争いは世界のさまざまなところでくり返されています。 想像力が心の病をつくることになったのは、想像力を働かせることで、ポジティブな成分も、ネガティブな成分もより強くなったからです。要するに、平常心、不安心ともに肥大化させることになったのです。
心にとって平常心の肥大化はうれしいことですが、不安心の肥大化はネガティブ思考を深刻にします。不安心が大きくなれば、それだけ自己の中心が不安心にあることが多くなるからです。 そもそも想像力は、人を不安にさせるものです。なぜなら、想像力を働かせて未来のことや相手のことを考えると、わからないことだらけだと気づくからです。人間は、知らないことに対して、不安や恐怖を感じやすいところがあります。 ※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください
みなさんにも、知ることで不安が消えた、怖くなくなったという経験があると思います。私たちは、人に対しても、社会に対しても、それだけ想像力を働かせて解釈するところがあるのです。 他の動物に生存を脅かされることがなくなったいまの時代、不安心の多くは、周囲の人間の言動から生まれています。自分を嫌っているのではないか、自分に対してマイナスな行動をとるのではないか、という妄想を抱き、そのことで自分の存在を脅かされるという恐怖を感じるからです。
「自分は生きる価値がない」 「自分には居場所がない」 「自分は必要とされていない」……。 そうした不安心を大きくするのもまた、想像力です。そして、私たちのまわりには、存在不安につながる要素が生活のあらゆる場面にあります。それを総称して、私たちは「ストレス」と呼んでいます。 ■自分の存在を脅かす「4つのストレス源」 ストレスの元となる「ストレス源」は、「集団社会から受けるストレス」「家族から受けるストレス」「自分の心の状態から受けるストレス」「自分の体の状態から受けるストレス」という4つに分けられます。