【裏金で惨敗】丸川珠代氏の東大同級生&元テレ朝同僚アナが街頭演説で気づいた“変化”「陽の当たるところでずっと攻め続けてきた彼女はどこへ行ったのか」
「どうかお助けください!」。涙を流して有権者に支援を訴えながらも、裏金問題で失った信頼が回復できないまま落選した丸川珠代氏。東大時代の同級生で、職場の同僚でもあった元テレビ朝日法務部長の西脇亨輔氏が街頭演説を聞いた時に感じた“変化”を語る。 【写真11枚】「2人で1800万円以上の不記載って……」夫婦ともに戒告処分を受けた、“丸川珠代”夫とのツーショット写真 仲むつまじく手をつなぐ様子も ***
東大在籍時から真っ白なスーツを着こなす「スターだった」
衆院選の選挙活動最終日。私はJR恵比寿駅前で報道ヘリの音にかき消されそうな演説を聞きながら思った。 丸川さんらしくない。 丸川珠代氏と私は1989年に東京大学に入学し1、2年生時には同じクラスに在籍した。その後、テレビ朝日では丸川氏の後輩としてアナウンス部で働くことになった。 その頃の丸川氏から感じたのは、周りと衝突してでも何かを追いかけて進む「攻める」姿勢だった。 大学では約50人のクラスに女性が5人ほどしかいない時代だったが、丸川氏は学業だけでなくタレントとしても活動していた。当時「東大生タレント」として脚光を浴びていたのが、一学年下の高田万由子氏。彼女を追うように、地元・関西などで活動しながら東京の大学に通っていたのが丸川氏だった。 少し薄暗い教室に丸川氏が現れるとその場が明るくなり、遠くから見ているだけの私にも有無を言わせぬ迫力を感じさせた。真っ白なスーツを着こなす人を生まれて初めて見たのも教室にいた丸川氏だったと思う。ちなみにこのクラスからは名門テニスサークルのキャプテンだった木原誠二氏も後に国政の道に入り、岸田前首相の最側近になった。
海外ニュース番組に「受験英語」でチャレンジした若手時代
テレビ朝日に私が2年遅れて入社したときに再会した丸川氏は、アナウンサーとしての本流というより、道なき道を進んでいた。印象に残っているのは私の入社直後、彼女が「CNNヘッドライン」という番組のキャスターに抜擢されたときの姿だ。 バイリンガルの女性キャスターが流ちょうな英語を交えてニュースを伝える、この人気番組は既に山口美江さん、小牧ユカさんなどのスターを生んでいた。だが、その後を継ぐことになった丸川氏には海外在住の経験はなかった。 それでも彼女は「受験英語がどこまで通用するかチャレンジする」と宣言し、テレビ朝日の地下にあったスタッフルームで詳細に演出の打ち合わせを繰り返していた。すると、実際の放送では海外帰りのキャスターにしか見えなくなっていて、その徹底ぶりに新入社員の私はただただ圧倒されていた。 その後「ビートたけしのTVタックル」でのビートたけし氏との丁々発止のやり取りなどで人気を集めた丸川氏。彼女が次に選んだ政界進出も、また道なき道を進んでいくものだった。 2007年に参院選に出馬した時、直前まで社員の多くが何も聞いていなかったので大騒ぎになった。既に収録済みのクイズ番組は回答者が輪になって順に答えていく内容だったので丸川氏だけカットするわけにもいかず、編集技術を尽くして極力目立たなくする作業が大変だった。民放各局の女性アナウンサーがそろって出演していた地上波デジタル放送のCMが放送中止になったりもした。