「東京チカラめし」が東京で再始動 今度はどう売っていくのか
開店直後は「チカラめしファン」が行列
5月7日に東京チカラめし食堂がオープンすると、東京での復活を待っていたチカラめしファンが多く足を運んだという。 「初日と2日目は、30人ほどが開店前から並んでいました。告知は1週間前ぐらいでしたが、これだけの方が来店してくれ、期待してもらっているのだと感じました」(小川氏) 2日間は『焼き牛丼』を注文する人が多く販売数が偏ったものの、開店から2カ月弱が経過した現在は、定食もよく売れるようになってきたという。 「定食は日替わりや週替わりでメニューを変えているのですが、唐揚げや生姜焼きといった『定番のおかず』が入ると、そのメニューに注文が集中します。特に『唐揚げ』は圧倒的に人気で、味を変えて1週間に1度は必ずメニューに含めています。焼き牛丼はオーソドックスなメニューに、単品の味噌汁やサラダなどを追加される方がほとんどです」(小川氏) 現状の客層は約65%が館内の職員で、残りがそれ以外とのこと。館内で働く人の男女比率は「男性6割、女性4割」だが、来客層の比率は「男性7割、女性3割」で、20~30代の男性がボリュームゾーンだ。300席と席数が多いが、12時台はかなりにぎわっている状態だという。多くはないが、以前からの焼き牛丼のファンだと思われるお客もチラホラ見られるそうだ。 これまでのところ反響は良く、特に法務局の職員にはとても喜ばれているとか。3年間の食堂事業で開発した独自レシピと得られたノウハウにより、「温かい食事を温かいまま提供する」ことができていて、一定の評価を得られていると小川氏は話した。
新業態を育て、挑戦を加速したい
東京チカラめしはコロナ禍に海外進出しており、香港に3店舗、タイに1店舗をオープンしている。海外企業から声がかかり、ライセンス契約を締結して出店にいたった。運営は現地パートナーが取り仕切っていて、どの店舗も人気を得ているそうだ。 東京で再出発を切ったばかりの東京チカラめしは、今後どんな展開を見据えているのか。小川氏は「まずは足元を固めたい」と慎重な姿勢を見せた。 「ひとまず、今回ご縁をいただいた『東京チカラめし食堂』をしっかり運営して、この業態を育てていきたいです。職員の方はもちろん、当ブランドの根強いファンの方の期待にも応えながら、当社の使命として第一次産業従事者を支えていきたい。食堂の運営では、国産の有機野菜や魚を積極的に使うようにしています」(小川氏) 長澤氏も同様に「ブランドを磨いていく」としながらも、今後の国内外の展開に意欲を示した。 「東京チカラめし食堂は、職員の方の健康を支える食堂としての責務を全うしながら業態を磨いていきます。東京チカラめし単体でいえば、非常に多くの方から支持をいただいていますので、現代に合わせたブランドにアップデートして国内外に広げていきたい。海外展開はラインセンス契約だけでなく直営も検討していますし、さまざま挑戦していきたい思いがあります」(長澤氏) 「官公庁の食堂とのコラボ」という思いがけないスタイルで再出発した東京チカラめし。これからどんなブランドに変化していくのか。軒並み人気だという海外展開も、また気になるところだ。 (小林香織)
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