Hey! Say! JUMPの髙木雄也と清水くるみで10の情事「どう感じるかを大事にして」舞台『東京輪舞』10日開幕
Hey! Say! JUMPの髙木雄也と清水くるみで10の情事を描いていく舞台『東京輪舞』が3月10日、渋谷区のPARCO劇場で開幕する。 舞台『東京輪舞』のドキッとするシーン 初日を控えた9日、プレスコールが行われ、劇中の一部が公開された。東京、トーキョー、とうきょうといろいろな東京で埋め尽くされた舞台上で、髙木と清水がドキドキする会話と、ドキッとするフレーズ、一抹の切なさと嫌な感じなど、さまざまな感情を呼び起こした。 緊迫したシーンでプレスコールを終えると、髙木はすくっと立ち上がって「すごいところで終わりました」と笑って舞台裏に消え、清水、脚本の山本卓卓、演出と美術を担当した杉原邦生とともに登場し、取材に対応した。 翌日10日に初日を控え、髙木は「キャスト、スタッフの皆さんで一丸となって作り上げてきたので、ようやく皆さんにお披露目できるのかというのと、早かったなーっていう、ドキドキとワクワクのフィフティフィフティ状態。自分ができることは100%やってきたつもりなので、早くみなさんに見ていただけるとうれしいです」と、意気込みのコメント。 清水も1カ月強の稽古期間はあっという間だったとしたうえで、「見ごたえがあるんじゃないかなって思って。このセットにワクワクしますし、(髙木と)2人で8役、6役やらせていただいて、きっと面白いものになってるんじゃないかなと思って。皆さんの反応が気になるんですけど、精一杯頑張りたいと思います」と、笑顔を見せた。 オーストリアの劇作家、アルトゥル・シュニッツラーが1900年に発行し、当時のウィ―ン社会にセンセーションを巻き起こした問題作『輪舞(La Ronde)』を「現在」「東京」に翻案して上演。10の情事の前後をリレー方式で描いていく。髙木は配達員や高級マンションに住む息子など8役、清水はピンクの髪の十代の若い女やフィリピン出身の家事代行など6役を演じる。 髙木は「元々は5だったんですが、やっていくうちに8になって。経験がないので、どう変えればいいのかわからず、声を変えたらいいのかなとか考えてたんですけども、杉原さんから(役に)入り込んでいけば声とかも役に近づいていくからと結構初期の段階で言っていただいたので、そこはもう心配せず自分が思うように、とりあえずその人で生きてみてやってって今になったって感じ……今が大丈夫なのか分かってないですけど。でも8役って言っても、一役が二役と接することがあるので、8だけどその倍の役があるなっていう感覚でやってます。そこら辺がちょっと大変かな」 清水も「一つの作品で何役かやったことは経験があるんですけど、一役一役ちゃんと見せるっていうことがあんまりなかったので、切り替えがすごく難しいなと思って。役をやってる時に一瞬違うキャラが出てきて何やってるけとか、自分が出てきちゃったりとか、すごく難しい」としたうえで、「基本的に2人が舞台の上にいるのに、なんで役の数に差があるのか?って思ってる方も多いんじゃないかなと思います。そこも見どころだと思うので、楽しみにしていてほしいと思います」と、話した。 髙木と清水の演技もそうだが、いろいろな「東京」文字でぎっしりと埋め尽くされたセットも注目だ。 美術も担当した杉原は「東京が舞台ということ、しかも東京の渋谷で上演するということで、舞台の上の空間に物語上、僕らと地続きの東京の街並みをどういうふうに実現させようかなと思った」そう。「コンセプトは東京ルーム、東京シアター。とにかく、ここは東京だって言いまくるということで、デザインしました。文字の情報が今すごく社会にあふれてると思うんですけど、そういうところもイメージできたらいいなと思いました」 劇中では、「Rondeという文字とか、ドアがついてるパネルとかが次々出てきてシーンを構成していく」。 杉原は「道具が輪舞のように動き踊りながら空間を構成していく劇空間ができたらいいなと思っていた」といい、その空間を実現するためにダンサーと俳優からなる8名のステージパフォーマーが道具転換をしている。「仕事的に動作的に転換をするふうになっちゃうんですけど、もっと身体的に空間が動いているような空間にしたいということで、あえて俳優さんやダンサーさんに道具を動かしていただいている。そこも見どころかなと思います」 清水もセットの感想を聞かれて、「一見賑やかだなと思うんですけど、私はちょっと孤独も感じると思っていて。終わって暗転する瞬間にすごい寂しい気持ちになるんです。それがやっぱり東京だなって。いっぱい人がいるし、本当にいろんな人がいるし、だからこそ関わり合いもすごくあるんですけど、いい意味でも悪い意味でも孤独を感じるのが東京。作品、脚本、このセットも、それが全部合わさってるなって。本当に素敵なセットだなって思ってます」。 「信じてもらえないと思うんですけど……」と、話し始めたのは髙木。「全く同じでした(笑)。文字とかがふわーってなってる感じが、東京って人がものすごくいて、いろんな方がいてっていうのが詰まってるなって感じました。それと、セットがいろいろ変わってくんですけど、別のものになったり別のシーンになったり、でも結局全部一緒な感じとかが、すごく僕はいいなって」と笑顔だった。 いよいよ、初日公演を迎える。 髙木は「年とか、過ごしてきた環境とか、今の気持ちとかで、見え方が変わってくるのかなとは思うんですけど、今の自分が見た時どう感じるかを大事にしてもらって見てもらえたらうれしいなと思います。地方(公演)もあるので、ぜひ皆さん遊びに来てください」とアピール。 山本は「みんなの力が合わさって、日本の演劇史に残るような問題作になってるんじゃないかなと思います。最高!」と興奮気味だった。 28日まで同所で。その後、福岡、大阪、広島公演がある。