日本最大の洋菓子コンテストでグランプリ 御殿場の菓子職人小池さん 「万華鏡」表現の繊細なあめ細工
御殿場市の洋菓子店「アンドロワ・パレ」の菓子職人小池珠実さん(35)=磐田市出身=が10月、都内で開かれた日本最大の洋菓子コンテスト「2024ジャパン・ケーキショー東京」で日本一の称号のグランプリに輝いた。赤色を基調にした美しい花々の繊細なあめ細工作品が、審査員から満場一致の高評価を受けた。 出品したのは高さ50センチの作品を仕上げるピエス・アーティスティック(アメ)部門。小池さんはつや感や透明感、光の反射の美しさなど、あめの魅力を最大限に引き出そうと万華鏡をテーマに選んだ。どだい部分は多色の幾何学模様を複数浮かべ、万華鏡を回した際の風景の変化を表現。緻密な作業を重ねて作った花は真上から見ると模様に見えるように工夫し、万華鏡の筒も本物のようにのぞいて楽しめる遊び心を加えた。 コンテストでは主題をダイナミックに表現する職人が多い中、小池さんは多彩な角度から美しい模様を楽しめるように、あえてシンプルにデザインした。「第一印象に不安があったが、審査員に意図が伝わってよかった」と笑顔を見せる。 アンドロワ・パレでの勤務は約7年で、これまでに同コンテストのピエス・アーティスティック(ショコラ)で部門最高賞を獲得した。菓子職人としてさらに技術を高めようとあめ細工の部門に挑み、コンテスト全部門の計約1500作品の頂点に立った。小池さんは「うれしさより驚きが大きい。今後は、味も審査に含まれる部門に挑戦してみたい」と目を輝かせた。
静岡新聞社