「お前なんか“お父さん”じゃねえ!」直後に「ね、お風呂入ろ」“男性里親”と小学生 信頼あってこその言葉
「SOS子どもの村福岡」(福岡市西区今津)では、事情があって親元を離れて暮らす子供が、一軒家で里親と暮らしている。里親3人のうち、1人は男性だ。男性は4人の男の子から「お父さん」と呼ばれる暮らしを続けている。RKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』に出演しているRKB神戸金史解説委員長が男性にインタビューした。 【写真で見る】節分で本格的な鬼に扮した田原正則さん
「子どもの村」で里親になった理由
「SOS子どもの村福岡」には3棟の戸建て住宅があり、育親(子供の村では里親をこう呼ぶ)がそれぞれ住み込んで、3~4人の子供たちと一緒に暮らしています。「住み込み」であることが、普通の里親と違うところです。 ※特定NPO法人「SOS子どもの村JAPAN」 本部は福岡市中央区赤坂。寄付をもとに2010年に住宅5棟を福岡市西区今津に建設して、「SOS子どもの村福岡」を開村した。現在、3棟に里親家庭が入居する。残る2棟では、虐待防止のため短期間子供を預かるショートステイ事業も展開している。 育親3人のうち、唯一男性の田原正則さん(44歳)は4人の男の子と暮らしています。以前は、長崎県にある施設に勤めていました。3交代制の勤務でしたが、「独身で時間もあるから」と、2か月ほど施設に自分も泊まり込んでみたそうです。 田原:施設に来たからとて、担当のスタッフとの関係性を築いていくのって、「朝からいるけど夜はいない」とか「2~3日休みだ」とか、(子供との)関係性を作りにくかったんですね。24時間一緒にいることで関係性って作れていけるんだろうなというのは、何となく頭ではわかるんですけど、1~2か月やってみて、子供たちの関係性もけっこう取れたりして、「24時間するのも面白いな」と思って、「何かできることないかな」って相談していたら、里親だと子供たちと一緒に生活する。「ちょっと面白そうだな」と。 田原:でも「自分独身だし、1人だから自信ないしな」…。そんな時に「こどもの村がある」と。スタッフも入ってもらえるし、専門家チームもたくさんいる。いろいろな相談しながらやれる。「あ、これだったらできるんじゃないかな」と思って、来てみて話を聞いたら「あ、理想に近いやん!」と思って。 「子どもの村福岡」では、例えば、育親の体調が悪い時や実家に用事があって帰るという時にはサポートスタッフに任せて、料理を作ることを頼んだりできます。それで「理想に近い」と思ったそうです。