福島・石川町官製談合、懲役2年求刑 業者2被告、起訴内容認める
福島県石川町発注の公共工事入札の官製談合事件などを巡り、贈賄と公契約関係競売入札妨害の罪に問われた同町の土木会社「志賀建設」元顧問の関根徳夫(70)、元役員の添田保雄(63)両被告の初公判は2日、地裁郡山支部(下山洋司裁判長)で開かれ、両被告は起訴内容を認めた。検察側は懲役2年を求刑し、即日結審した。判決は来年1月29日午後2時。 検察側は冒頭陳述で、両被告は2019年6月、町発注の橋の公共工事の積算が難しく、添田被告と面識のあった元町長の塩田金次郎被告(77)=収賄などの罪で有罪判決=に設計金額の教示を依頼。少なくとも計7回にわたり教示を受け、謝礼として缶ビールなどを供与したと述べた。福島空港の工事では同社の元従業員緑川家司被告(70)=公契約関係競売入札妨害の罪で起訴=を通じて空港事務所の職員に設計金額などの教示を依頼したとした。論告では「官民癒着の最たるもので社会の信頼を著しく害するなど態様は悪質」と指摘した。 弁護側は最終弁論で「贈賄は町長からの依頼に応じたもので、再犯の可能性は低い」などとして執行猶予付き判決を求めた。
両被告「断ると外されると」
関根、添田両被告は被告人質問で、塩田被告に物品を贈った理由を「断ると指名競争入札から外されると思った。設計金額を教えてもらった見返りの意味もあった」と述べた。塩田被告に設計金額を聞いた理由については「自社の利益を上げたかった。設計金額に近い額で落札すれば質の高い工事ができると思った」と供述した。 町発注の指名競争入札では、地元業者との間で受注調整していたことも明らかになっており、添田被告は「地元業者に仕事がないと災害復旧をする業者がなくなる。地元業者を守るためだった」とした。 福島空港の工事に関する入札では元従業員の緑川被告を通じて最低制限価格などの教示を受けていた。緑川被告は空港の整備に関する事業者の組合員を担当しており、関根被告は「県職員とのつながりがあると思い頼んだ」と述べた。