１回、生還したフリーマンを受け止めるベッツ＝１３日（ロサンゼルス・ドジャース提供）

　ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は１５日８日本時間１６日）、シティフィールドで会見を行い、強行出場を続けるフレディ・フリーマン内野手について「彼とは話をしていないが、明日もまたプレーすると思う」と語った。 　故障者が続出している中でも地区シリーズを突破し、メッツとの優勝決定シリーズでは１勝１敗で滑り出したドジャース。戦いぶりを見ていると、チームが一体となっている様子がよく分かる。 　その雰囲気を演出している一つの要因が右足首の故障を押して出場しているフリーマンだ。優勝決定シリーズ第１戦では、初回にマンシーの中前打で二塁から激走して生還。ブレーキをかけることができず、ベッツに受け止めてもらう形になった。四回には自ら左前適時打を放ち、ワンサイドゲームに持ち込む貴重な追加点をたたき出した。 　さらに第２戦でもエドマンの右前適時打で一塁から一気に三塁を陥れるなど、右足首の故障をものともしない走塁を見せた。初戦でフリーマンを受け止めたベッツは「自分は７６キロしかないのに、デカいのが倒れそうになった。筋トレをしていたおかげで受け止めることができた。彼は常に全力を尽くしている。僕は彼をサポートするためにここにいる。片足の状態で彼がやっていることは本当にすごい」とたたえていた。 　フリーマンは地区優勝を決めたパドレス戦で一塁に駆け込んだ際、右足首を捻挫した。まさかのアクシデントに二塁塁上でベッツは固まり、絶望感を漂わせた。今後のプレーオフを考えれば、離脱されると最も困る存在－。ベッツの表情がその事実を何よりも物語っていた。 　だがフリーマンは懸命の治療とリハビリを経て、パドレスとの地区シリーズに戻ってきた。全力プレーを見せればベンチ、そしてスタンドも一気に盛り上がる。守備でもフリーマンが一塁ゴロを処理する際には、必ず投手が全力でベースカバーに走る。故障者が続出している状況でも、全力を尽くす姿勢がチームの一体感を生んでいる。 　メッツとの第１戦を終えた際には「間違いなく良くなることはないけども、またひねったりしない限り、これ以上悪くなることはないだろう」と語っていた。故障を押して出場していることで試合後のケア、そして試合前の準備にはかなりの時間を要する。「今夜はここ（ドジャースタジアム）でバーナード・リー（球団理学療法士）と一緒に寝るかもしれない」と言って笑いを誘っていた。 　第３戦はニューヨークへ場所を移して行われる。試合中の気温は１０度前後が予想され、故障を抱えるフリーマンにとっては決していい環境とは言えない。それでもチームの精神的支柱は必ず、全力プレーを見せるはずだ。