FAA、米航空会社の外国整備工場に薬物・アルコール検査義務付け
David Shepardson [ワシントン 16日 ロイター] - 米連邦航空局(FAA)は16日、米航空会社の航空機を整備する外国の航空機修理工場を対象に、安全な整備が実施されるために従業員の薬物・アルコール検査を実施することを義務付ける規則を最終決定したと発表した。2027年12月までの順守開始を義務付け、65カ国にある計約977の修理工場が対象となる。 ただ、外国政府や修理工場は既存の試験および要件に基づいて適用除外を受けることも可能となる。FAAのマイク・ウィテカー長官は「この規則は、(米航空会社の整備に当たる)これらの従業員が物理的にどこにいても、同等の高い水準の安全基準に従わなければならないことを保証する」とコメントした。 この規則は、修理工場が検査データを運輸省に対して電子送信することを義務付ける。FAAは23年12月に規則の導入を提案し、連邦議会が実施するように求めていた。 航空業界の労働組合は数年前から米国外の修理工場に委託している整備機能の検査を要求してきた。米運輸労組(TWU)のジョン・サミュエルセン委員長は昨年、この提案は「大きな安全格差」を埋めるものだと評価して「中国などのより低賃金で、基準がより低い国の航空整備士が米民間航空機の業務に当たる場合には、ここ(米国)の整備士とちょうど同じように薬物・アルコール検査を受けなければならなくなる」と指摘していた。 一方、航空会社からは外国の個人情報保護や労働の法律が米国の薬物・アルコール検査要件に抵触する可能性があるとし、適用除外や免除を政府が管理することが難しくなる恐れがあるとの懸念が出ていた。日本や英国、アイルランド、ドイツ、欧州連合(EU)、中国、シンガポール、ペルー、チリ、ブラジルなどの法律に抵触する可能性があるとしている。