テストからの好調をスーパーフォーミュラ開幕戦2位につなげた山下健太。今年はイケる?「いや、まだトンネルの中です」と本人は飄々
スーパーフォーミュラ開幕戦が鈴鹿サーキットで行なわれ、KONDO RACINGの山下健太は見事な戦略で2位表彰台を獲得した。 【リザルト】スーパーフォーミュラ開幕戦鈴鹿:決勝結果 同じ鈴鹿サーキットで行なわれた2回のテストで安定したパフォーマンスを発揮していた山下。今回の開幕戦は例年より早い時期の開催となり、土曜フリー走行では雪もぱらつくほど寒く、テストと同じ寒いコンディションとなったことから、山下はレース前から手応えを感じていたようだ。 予選では6番手と本人的にもいま一歩といった位置からのスタートだったが、オープニングラップを5番手で終えると、11周を終えたところでピットに入る戦略がハマり、実質2番手まで浮上した。 後続とのギャップを見ながら首位を走っていた野尻智紀(TEAM MUGEN)までは捕らえられなかったものの、2位表彰台を獲得。山下にとっては、昨年の第2戦富士以来の表彰台となった。 「12月と2月に(鈴鹿で)テストがありましたけど、今回は開幕戦の時期がちょっと早めということで、その頃と似たようなコンディションでレースができました。自分としてはテストから結構いい流れで、すでに上位に行けるようなパフォーマンスがありました」 そう山下は記者会見で語った。 「なので本当は、予選からもう少し上に行きたかったんですけど、今日のレースの組み立て自体はすごくうまくいったなというイメージです」 「普段と違って(寒く)、アウトラップは難しさがあったと思います。自分は今回ミニマム(タイヤ交換義務が消化できる10周終わりのタイミングでのピットイン)かなという印象が土曜日からずっとありました。ただそこで入ってしまうと、アウトラップでタイヤがグリップしない間に、その次の周で入った選手に前にいかれてしまうんじゃないかなという考えがあって、自分は11周目を選びました。それが良い判断だったのかなと思います」 「ピットストップが本当に早くてびっくりしました。アウトラップも自分が想像していたよりも速いタイムで走ることができました。自力では1台も抜いてないですけど、そのあとのペースもちょっと厳しいところはあったとはいえ、戦略としてうまくいって2位でゴールできたのですごい良かったと思います」 スーパーGTでの活躍も含め、その速さに定評がある山下だが、スーパーフォーミュラでは苦しい時期が続いた。前回表彰台に上がった富士では怪我からの復活という要素もあって、涙を見せた。 そうした背景があるだけに今回、チームの近藤真彦監督も無線で『トンネル抜けたな、今年いけるぞ』という声をかけたという。ただ、山下の返答はかなり冷静なものだったようだ。 「ロングランまだまだですけどねと(無線で)返しました。チーム的に今年行けるみたいな雰囲気出てるんですけど、全くそういう感じは自分はしていません」 「何年も繰り返してきてもうよく分かっています。どれだけ難しいか乗っている人ならよく分かると思うんですけど、まだトンネルの中にいると思います(笑)」 次戦オートポリスは5月18~19日の開催となる。約2ヵ月の期間が空くため、今回とはコンディションも大きく異なるだろう。 そのため、山下はしっかりと準備をし、パフォーマンスを維持したいと意気込んだ。 「今回のレースはテストからの続きで、寒い中でのコンディションになったと思うんですけど、2ヵ月空く間にぜんぜん違うコンディションになるはずです。自分としてはその中で今のパフォーマンスを維持できると思ってはいないです。今回のレースでも結構いいデータが取れたと思うので、しっかりチームと話し合って、オートポリスの走り出しからしっかり走れるように準備していきたいと思います」
松本 和己
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