仏「国民戦線」創設者のジャンマリ・ルペン氏が死去、96歳 極右運動の草分け的存在
AFP通信によると、フランスの極右政党「国民戦線」(現在の国民連合)の初代党首、ジャンマリ・ルペン氏が7日、死去した。96歳だった。政界で異端視されながら、2002年の大統領選で決選投票に進出した。2代目党首となったマリーヌ・ルペン仏下院議員の父で、反移民を掲げ、欧州統合を批判する極右運動の草分け的存在だった。 ジャンマリ・ルペン氏は1928年、仏西部ブルターニュ地方生まれ。パリ大学に進学し、右翼運動に参加。植民地だったアルジェリアの独立戦争で仏軍に加わった。56年、下院議員に当選した。 72年に「国民戦線」を創設。反共、国家主義を旗印とした。やがて移民排斥を訴えるようになり、労働者層に支持を拡大した。84年に欧州議員に就任。2002年の大統領選では社会党首相だったジョスパン候補を押さえて決選投票に進み、保守派のシラク大統領(当時)に敗れた。 第二次大戦中の独ナチスによるユダヤ人虐殺を「歴史上の些細なこと」と発言するなど人種差別発言を繰り返し、有罪判決を受けた。11年に三女マリーヌ氏の党首就任に伴い、名誉党首になったが、15年には党指導部から除籍された。22年に脳卒中で倒れ、体調が悪化していた。(三井美奈)