稲垣吾郎「子どもがいたら、めちゃめちゃかわいいんだろうな」遺伝子を残すことにこだわりなく生きてきたけれど今は…
子どもがいたらめちゃめちゃかわいいだろうな
──稲垣さんは自分の子どもがほしい基の思いを理解できますか? 僕は遺伝子を残すことに対して強いこだわりを持たずに生きてきました。ただ、もしも基のように両親ともにバレエダンサーという環境で育っていたら、自分の遺伝子を残さなきゃいけないというような、責任感や義務感が生まれたのかもしれない。 でも僕の場合は、ちょっと特殊な芸能の世界に身を置いてきた立場なので(笑)。それが僕の人生だし、後悔はしていません。だからこそ、基を僕に演じさせたらおもしろいと思ってオファーをしていただけたのかもしれませんね。 ──役で父親を演じることもありますが、「もしも父親になったら?」と空想したことは? うーん。なくはないけど、具体的な想像ができなかったんです。娘がいたらすごくかわいがるだろうなということは、うっすら想像がついたけど、男の子だとどう接していいかわからなそうだなとも思っていました。 ただ、飼っているオス猫を見ていて「男の子がいたらこういう感じ?」と思ったりもして。ちょっと自分の子どもの分身のような感覚で見ていることに気づいたんです。 もちろん動物と人間は違うし正しい例えではないかもしれないけど、最近はそんなことを思ったりしたかな。 ──猫を通して父性が発動される瞬間があったんですね! そうですね。当たり前だけど、めちゃめちゃかわいいんだろうなって、今になって思っています。
愛猫は子どもではなく、むしろ恋人だと思っている
──猫は2匹飼ってらっしゃるんですよね? 今は3匹います。 ──にぎやかですね。猫と稲垣さんの関係性は、子どもと父親という感覚? いや、なんかそれがすごく抵抗があって。ペットショップにメスの子猫を迎えに行ったときに、店員さんが「ほら、パパが来たよー」って言ったんです。その瞬間「いや、パパじゃないし」って思っちゃって。 僕としては同志や一緒に暮らしているパートナー、むしろメスに対しては恋人ぐらいに思っていたから、ちょっとショックを受けちゃって(笑)。なんか違和感があったんですよ。 でも、オスに対してふと親目線になっている自分がいたように、「パパ」と呼ばれるのもわからなくないなと、最近は思いはじめているところです。 ──猫との生活は、想定外の出来事も多い気がしますが。 全然思い通りにならなくていいんです。ワンちゃんはよくしつけをしたりするけど、厳しめに言うことを聞かせようとする人を見ると、もういいじゃんって思っちゃう(笑)。そこが親っぽくないのかもしれない。猫なんか言うことをきくわけがないしね。 彼らも僕のことをペットだと思っているかもしれないし、同じ空間に住んでいるだけの存在だと思っているかもしれない。コントロールできないことが心地よくておもしろいから、僕は猫を飼っているんだと思います。 取材・文/松山梢 撮影/石田壮一 ヘアメイク/金田順子 スタイリスト/黒澤彰乃
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