全国大会出場を決めたのは既に3校!敗戦を成長の糧にできる教育的観点も準硬式の魅力だ!<田中裕毅の”準硬ドットコム”第16回>
選手として、社会人として成長できる大会
結果的に中央大と中京大、そして徳島大医学部が、一足早く全日大会への出場が決まっていた。それ以外は5月ないし6月にかけて決まる模様だ。 関東や関西はチーム数の多さもあってか、全国への道のりはかなり複雑で険しい。と同時に、高校野球とは違ってトーナメントによる一発勝負で敗れても、リベンジのチャンスが与えられている地区が多いことも準硬式の特徴だ。 もちろん、一発勝負だからこそ醸し出される緊張感は高校野球の醍醐味の1つだ。ヒリヒリした真剣勝負のなかで描かれるドラマが劇的だからこそ、多くのファンが高校野球に魅了されるわけだが、選手たちの将来を考えれば、準硬式の仕組みも魅力的だ。 社会に出ていけば、日々PDCAを回して失敗と成功を繰り返す。退職するまで成功が続くわけではない。失敗をどう次に生かしていくかが大事になる。 その点で見れば、トーナメントで一度敗れてからチーム内で反省・改善を尽くし、もう一度全国へチャレンジできる。準硬式の仕組みは社会に出ていく前のいい訓練だとも捉えられる。 社会人を育てる側面も持った予選会。険しく、厳しい全国への道を駆け上がる学校はどこになるのか。
取材・文/田中 裕毅(準硬式野球評論家) 小学3年生から中学生までは軟式野球。高校での3年間は硬式野球をプレー。最後の夏は控え捕手でベンチ入りを果たす。 大学から準硬式野球で3年間プレー。大学2年、3年生のとき、チームは清瀬杯大会に出場し、自身はベンチ入り。さらに3年生の1年はチームの主務として、選手登録やリーグ戦運営に携わる。特に春季リーグはリーグ委員長として、試合日程の調整をはじめとした責任者を任される。