日銀6月減額と7月利上げ読む市場、残るは年2回ペース織り込み
(ブルームバーグ): 日本銀行が国債買い入れの減額に踏み出したことを受け、6月の金融政策決定会合での本格的な買い入れ減額決定や7月会合での追加利上げを市場は織り込みつつある。ただ、利上げペースの織り込みは十分に進んでおらず、日銀が実際に利上げに踏み切れば一段の金利上昇は必至との声が上がっている。
13日の国債買い入れ減額は市場にとってサプライズとなり、国内金利は上昇。金融政策見通しを反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)で7月の利上げ織り込み(引き上げ幅0.15ポイントで付利0.25%)は7割程度に達した。一方、OIS2年先1年フォワード金利は0.7%を下回り、年1回程度の利上げペースしか織り込んでいない。
日銀が国債買い入れオペ減額、5年超10年以下-金融正常化
パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、利上げペースが年2回に高まれば一番影響を受けるのが中期ゾーン、特に5年債利回りだと指摘する。14日実施の5年債入札は金利先高観がある中でも無難に消化され、15日は0.555%で取引されている。松川氏は「5年で1%の利上げにとどまるのであれば今の水準でも許容できるが、2年で1%まで利上げされるのであれば低過ぎる」と語る。
日銀の買い入れ減額を受けて、14日の20年債利回りは一時1.77%%と2013年以来11年ぶりの水準に上昇。長期金利は0.965%と節目となる1%に徐々に近づいている。日銀の利上げペースが想定より速まるとの見方が強まれば、さらなる金利上昇圧力が加わる。国内金利上昇は内外金利差の縮小を通じて、為替相場を含むグローバルな資金の流れに影響を与える可能性がある。
長期金利は夏場に1%超えの声、日銀の利上げと国債購入減額観測
市場参加者の間では、日本経済は利上げに耐えられないとの見方や、米国が利下げに向かう中で利上げは困難とみる向きも多い。1990年代のバブル崩壊以降、2度の利上げ局面で政策金利がいずれも0.5%以下にとどまったこともそうした見方に拍車をかけている。