パリ五輪の代表選考は“発表待ち”段階! 自転車トラック女子短距離の太田りゆ「普通じゃない道のりを1番楽しんできたのは自分自身」
◆netkeirin連載コラム「太田りゆ“ノーメイクな私の本音”」 ネットケイリンをご覧のみなさんこんにちは、太田りゆです。今月は香港でネイションズカップがありました。このシリーズを走り終えて、いよいよ五輪代表内定の発表を待つだけになりました。今月のコラムではレースの振り返りと今の心境を書いていこうと思います。
おそらく最後のネイションズカップ
香港ネイションズカップが終了し、今シーズンのネイションズカップは残すところカナダ大会の1つだけ。このカナダ大会が終わらないと全世界の枠取りが定まりませんが、日本の出場枠は現段階で2つ獲得がほぼほぼ見込めている状況です。2人の選手が日本代表としてオリンピックに出場することができます。 パリオリンピック自転車競技トラック短距離の選考は昨年8月のグラスゴー世界選手権とネイションズカップ・アデレード大会と今回の香港大会の3つが対象になります。そのため、私はカナダには参加しない予定です。私の今の率直な気持ちは「お願い!早く発表して!」という感じで、代表内定の発表を待つ日々を過ごしています。 さて、カナダ大会に参加しないということは、今回走ってきた香港ネイションズカップが私にとって“おそらく”最後のネイションズカップだったということ。“おそらく”としているのは『予定は未定』というか、気が変わるかもしれないから。でも結構高い確率で最後のネイションズカップだったのだと思います。だからレースの空気や音、視界。そのすべてをしっかり感じたい、心のシャッターをしっかり押して忘れないようにしたい。そんな気持ちが大きく、精一杯やってきました。
やりきった! 最後まで「先を見据えた挑戦」ができた
思い返してみれば、2017年から現在までたくさんの国に行って、たくさんのレースを走ってきました。当時は年間6カ国でワールドカップがあり、それらすべてを回りました。そのほかの外国のレースにもたくさん出させてもらって、ほんと海外ばっかりの日々! でも、いよいよ今回の香港が終了したことで、(オリンピックを除けば)すべての海外遠征・国際レースが終わりました。信じられないというよりはやりきってきたのか、すごく「最後だ」という実感があります。(まあ、さきほども書きましたが気は変わるかもしれないんですけどね!) 前回のアデレード大会はボロボロで、「自分という輝きをすべて失った」そんな気がしました。でも今回は我に返り、目に光が戻り、ちゃんと戦えたような気がします。スプリントの予選では4年ぶりにギヤを重たくしました。 アジア選手権をキャンセルして作れた時間の中で、コーチのジェイソンに提案してもらい挑戦したギヤ。練習では上手くいったり、行かなかったり。だけど、上手くいったときのタイムがすごく楽しみなものが出てきていたので、今回思い切って本番で挑戦しました。 本番のタイムは10秒884で自己ベストからは遅いタイムではあるけど、これをきちんと使いこなせれば、私の武器になると思えました。ここで挑戦できたこともすごく良かったです。もちろん負けてしまったスプリントの対戦や準決勝でのレースには反省があります。それら課題と向き合い、吸収し、次に生かせるようにします。 今回の私のひとつの大きな課題 は『レースを思い切りやり諦めずに走る!力の出し惜しみをしない!』というテーマでした。このテーマに関しては自分の中ではしっかりできました。最終的にケイリン9位スプリント13位。スプリントもケイリンもやれる事は全部やって今回の結果でした。