LVMH傘下の化粧品小売りセフォラ、中国で人員10%削減-関係者
(ブルームバーグ): 化粧品小売りのセフォラは、中国で数百人の人員を削減している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。フランスの高級品ブランドグループ、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン傘下の同社は中国で赤字を計上しており、事業立て直しを図る。
同関係者によれば、セフォラ中国はオフィスと店舗両方の人員を解雇したほか、他のスタッフにも退職を呼び掛けている。中国在勤の従業員4000人余りの約10%が削減対象になっているという。関係者は報復を受けることを懸念し、匿名を条件に語った。
関係者の1人によると、小売りや電子商取引事業などを率いる一部の上級幹部も既に退社した。
セフォラは4月、中国本土事業の立て直しのため、ナイキでアジアの電子商取引責任者を務めた丁霞氏を中華圏の新たな責任者に起用した。
同社の広報担当者は「厳しい市場環境に対応し、中国での将来的な成長を確実なものにするために、セフォラ中国は現在、本部の組織構造をスリム化している」と述べた。
セフォラ中国の本土事業には、化粧品メーカーの上海家化聯合が19%出資している。上海家化の年次報告書によると、セフォラは2022年と23年に合わせて約3億3000万元(約67億円)の損失を出した。
セフォラは2005年に中国に進出し、およそ300店舗を展開。しかし、扱っている化粧品は欧米製を中心とした比較的高額のものが多いため、景気減速下でより安価な商品を求める消費者を引き付けるのが困難になっている。中国人の好みにより合わせた同国ブランドの化粧品も人気を集めており、苦戦を強いられている。
原題:LVMH’s Sephora Cuts Around 10% of Staff in China as Woes Deepen(抜粋)
--取材協力:Daniela Wei.
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Shirley Zhao