厚生年金「月額30万円以上」の高額受給者になるには現役時代の年収はいくら必要?
国民年金と厚生年金の平均月額はいくら?
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金・厚生年金それぞれの平均月額は下記のとおりです。 【国民年金の平均月額】 ・全体の平均月額:5万6316円 ・男性の平均月額:5万8798円 ・女性の平均月額:5万4426円 【厚生年金の平均月額(国民年金を含む)】 ・全体の平均月額:14万3973円 ・男性の平均月額:16万3875円 ・女性の平均月額:10万4878円 国民年金の平均月額は5万円台であり、満額受給の場合でも2024年度は「6万8000円」となっています。 一方、厚生年金の平均月額は14万円台で、国民年金より受給額は多いものの、現役時代の収入と比べると少ない金額といえます。 ただし、これはあくまで「平均額」であり、中には月額30万円以上の厚生年金を受給している人も存在します。 次章にて、厚生年金「月額30万円以上」を受け取っている人の割合について見ていきましょう。
厚生年金「月額30万円以上」の羨ましい人は何パーセントいる?
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の月額階級別の受給者数は下記のとおりです。※国民年金部分を含む ・1万円未満:6万1358人 ・1万円以上~2万円未満:1万5728人 ・2万円以上~3万円未満:5万4921人 ・3万円以上~4万円未満:9万5172人 ・4万円以上~5万円未満:10万2402人 ・5万円以上~6万円未満:15万2773人 ・6万円以上~7万円未満:41万1749人 ・7万円以上~8万円未満:68万7473人 ・8万円以上~9万円未満:92万8511人 ・9万円以上~10万円未満:112万3972人 ・10万円以上~11万円未満:112万7493人 ・11万円以上~12万円未満:103万4254人 ・12万円以上~13万円未満:94万5662人 ・13万円以上~14万円未満:92万5503人 ・14万円以上~15万円未満:95万3156人 ・15万円以上~16万円未満:99万4044人 ・16万円以上~17万円未満:104万730人 ・17万円以上~18万円未満:105万8410人 ・18万円以上~19万円未満:101万554人 ・19万円以上~20万円未満:90万9998人 ・20万円以上~21万円未満:75万9086人 ・21万円以上~22万円未満:56万9206人 ・22万円以上~23万円未満:38万3582人 ・23万円以上~24万円未満:25万3529人 ・24万円以上~25万円未満:16万6281人 ・25万円以上~26万円未満:10万2291人 ・26万円以上~27万円未満:5万9766人 ・27万円以上~28万円未満:3万3463人 ・28万円以上~29万円未満:1万5793人 ・29万円以上~30万円未満:7351人 ・30万円以上~:1万2490人 厚生年金「月額30万円以上」を受け取っている人数は1万2490人で、全体の0.08%を占めています。 厚生年金で月額30万円以上を受給している高額受給者は、全体の1%にも満たない少数であり、ほとんどの人にとって手が届かない金額だと言えるでしょう。 では、現役時代の年収がどれくらいあれば、厚生年金で月額30万円以上を受給できるのでしょうか。 ●現役時代の年収がいくらなら「年金30万円以上」を目指せる? 本章では、厚生年金と国民年金の受給額が「月額30万円以上」になるために必要な現役時代の年収を計算していきます。 厚生年金を算出するための計算式は、「2003年3月以前」と「2003年4月以降」で異なります。 ・2003年3月以前の加入期間:平均標準報酬月額×(7.125/1000)×2003年3月以前の加入月数 ・2003年4月以降の加入期間:平均標準報酬額×(5.481/1000)×2003年4月以降の加入月数 上記をふまえ、今回は以下のモデルケースをもとに、年金が月額30万円以上になるための現役時代の年収目安を算出していきます。 ・2003年4月以降に厚生年金に40年間加入 ・国民年金の未納期間はなく、満額(年間81万6000円)を受給可能 厚生年金は国民年金に上乗せして支給されるため、まずは国民年金の支給額を差し引いて計算します。 年金月額30万円の場合の厚生年金(国民年金を除く):360万円 - 81万6000円 = 278万4000円 厚生年金が278万4000円になるための「平均標準報酬月額(現役時の月の収入)」は下記のように計算します。 ・平均標準報酬額×5.481/1000×480カ月(40年間)=278万4000円 ・平均標準報酬額=約105万8000円 平均標準報酬月額は約105万円なので、年収は約1269万円となります。 つまり、40年間の平均年収が「約1269万円以上」であれば、年金として「月額30万円以上」を受給できることになります。