「中華料理店の子がカバンひとつで青森から上京」りんごちゃんが新幹線で流した涙 幼少期から家族を笑わせた“ギャップものまね”で「テレビに出たい」
■芸能界を目指して上京。さっぱりと見送った両親も実は涙 ── 高校卒業後には芸能界を目指して上京されています。 りんごちゃん:小さい頃からテレビが大好きで。実家は中華料理店で、両親ともにお店でずっと働いていたから、私は自分ひとり遊びをすることが多かったんですね。特に、親が好きなものまね番組や映画を、VHS(ビデオテープ)に録画したのを観るのが好きでした。そんなふうに録画したテレビ番組を観ているうちに、テレビの中の人への憧れが生まれたんだと思います。
そのうち、「キラキラした東京へ行けば、いつか“テレビの中の人”になれるかもしれない」と思うようになって、高校卒業後、カバンひとつで青森から上京しました。頼れる人もいなかったから、今は「若いエネルギーってすごいな」と思いますね。怖いもの知らずというか…。 ── 親御さんからの反対はなかったのですか? りんごちゃん:まったく反対されませんでした。もう隣町とか、近所のスーパーに買い物に行く人を見送るかのように、「いってらっしゃい!」って(笑)。
でも、あとでわかったんですけど、ホームで新幹線に乗った私を見送った後、親は涙を流していたようで。私も新幹線が出発したあと寂しくなって、ひとり泣いていたんです。結局それぞれ涙していた、という。 ── 陰で涙しながらも笑顔で応援してくれて、とても優しい親御さんですね。 りんごちゃん:ごく普通の親だとは思うんです。父親は昭和の男という感じで、姉と私がけんかをするとカミナリがどかん!と落ちる。でもそのぶん、母親はいつも穏やかで。イヤな空気をいっさい出さない人でした。お店が忙しくて、ふたりともずーっと働きっぱなしだったけど、休みの日には旅行したり、家族で過ごす時間をたっぷりつくってくれていました。
思えば、上京したばかりの頃は、親と1日1回以上は電話をしていましたね。今も時間があるときには電話をして、長いときには6時間くらい話します。けんかもするし、親友みたいに仲良しです。 PROFILE りんごちゃん 青森県生まれ。2019年にテレビ番組『ウチのガヤがすみません!』の出演をきっかけにブレイク。“ギャップ芸”という新しいものまねで、子どもからお年寄りまで幅広い層から愛されている。青森県十和田・奥入瀬観光大使としても活動中。
取材・文/高梨真紀 写真提供/りんごちゃん
高梨真紀