就任4戦目で初勝利をつかんだガンバ大阪・宮本恒靖監督の采配力とは?
「高江は運動量が持ち味なので、苦しい時間帯での途中出場でしたけど、ああいう(カウンターでの)プレーがキーになったと思います。高に関してはもっとやってもらわなきゃいけない選手ですし、守備面だけでなく、攻撃面で最後ああいうクサビのパスを入れましたけれど、ああいう回数や質、さらには平面のパスだけでなくてもう少し空間に落とすようなボールも求めています」 過密日程が続く夏場においてはすぐに迫ってくる試合への調整に追われ、戦術を落とし込む時間がなかなか作れない。ゆえにJ3の戦いを介して自身のイズムを熟知している東京五輪世代のホープたちを積極的に起用し、チーム内に新しい風を吹かせながら、戦い方の羅針盤にもすえている。 「まだ1試合しか勝っていないので、次に向けてしっかりやっていかないといけない」 試合後の公式会見では浮かれない姿勢も見せた指揮官だが、既存の戦力と若手が融合しつつある過程によほど大きな手応えを感じたのだろう。会見を終えて退室しようとした瞬間、おもむろに立ち止まった宮本監督は自ら拍手を求め、拳を握りしめた右手を高々とあげて少しだけ笑顔を浮かべた。 (文責・藤江直人/スポーツライター)