【天皇陛下64歳のお誕生日】グローバルな視点でのご活躍が期待される天皇陛下と皇后雅子さま。令和6年の展望は?
――両陛下は能登半島地震により大規模な被害が発生したことや、とりわけ昨年、国民文化祭が開かれて訪問した際、あたたかく迎えられた石川県で多くの犠牲者が出ていることに深く心を痛められているといいます。お見舞いに行かれるおつもりがあるようですが。 大久保さん:間違いなく行かれるでしょう。恐らく、今すぐにでも駆けつけたいというお気持ちだと思います。ただ、いつどのようなタイミングで、どのように行かれるのかはとても難しい問題だと思います。半島という地形的な特徴や過疎地帯を抱えているなどの複雑な要因で、被害の実態がはっきりしていないことや水道・電気・ガスなどのライフラインの復旧も長い時間が掛かりそうで、実際に現地へのお見舞いは、先になるだろうと思います。最新の報道では宮内庁は3月下旬をメドに石川県と調整しているようです。 平安時代などの昔の天皇も、災害の際には税を免除し、民を救済するよう求めるなど、「慈悲、慈恵、慈愛」の「三つの慈しみ」を実践されてきました。それは、歴代天皇家のDNAとして引き継がれていると思います。平成の時代に上皇ご夫妻がかたちづくってきたものを、令和の時代の両陛下も受け継がれていくでしょう。天皇陛下と雅子さまもこれまでの各種災害で被災地を訪問し、被災者への慰問と励ましを行い、救済支援をしている消防や自衛隊、警察に対するご慰労もされています。 歴史的にもあったような、流行病が落ち着いたところで災害が起きるという、非常に重苦しい中で皇室の役割を果たさなければならない状況になっていますが、時機を見ながら両陛下は必ず被災地に行かれると思います。
~~~~~~~~~~ ●大久保和夫(おおくぼ・かずお) 毎日新聞客員編集委員。長年、宮内庁担当記者を続け、皇室を通して日本と日本人について考えることを大きなテーマにしながら、ジャーナリストとして活動している。 ●聞き手 高木香織(たかぎ・かおり) 出版社勤務を経て編集・文筆業。皇室や王室の本を多く手掛ける。書籍の編集・編集協力に『美智子さま マナーとお言葉の流儀』『美智子さまから眞子さま佳子さまへ プリンセスの育て方』(ともにこう書房)、『美智子さまに学ぶエレガンス』(学研プラス)、『美智子さま あの日あのとき』、『日めくり31日カレンダー 永遠に伝えたい美智子さまのお心』『ローマ法王の言葉』(すべて講談社)、『美智子さま いのちの旅―未来へー』(講談社ビーシー/講談社)など。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(共著/リヨン社)、『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)。 キャプションは過去の資料をあたり、敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名など、その当時のものを使用しています。 バナー写真/JMPA 構成・文/高木香織
大久保 和夫