これが新車で買えるのか! 角ばって、武骨で、昔ながらのピックアップ「グレナディア QM」の正体
屈強なオフロードトラックが欲しい。そう言うと、ドラマ『北の国から』で五郎さんが言った「欲しい物があったら作ればいい」という言葉を思い出す。でも、車を作るのは難しいよ、五郎さん。 ▶︎すべての写真を見る けれど“イギリスで最も稼いでいる男”はそれを実行した。 その男とは、イギリスの大手石油化学メーカー、イネオスの会長であるジム・ラトクリフ氏。彼が一代で築いたイネオス社は、石油メジャーの一角。 イギリスBP社から石油化学部門を買収し、今やツール・ド・フランスのチームを所有するほか、メルセデスAMGペトロナスF1チームのスポンサーも務めるイギリス屈指の企業だ。
角ばって、武骨で、昔ながらのピックアップトラック
2016年に名車「ディフェンダー」の生産が終了すると、彼は代わりの本格派オフローダーを作ると宣言。 こうして2022年にオリジナルのオフローダー「グレナディア」の販売をスタートさせた。
続いてグレナディアと基本的な部分を共有するダブルキャブのピックアップとしてこの「グレナディア・クオーターマスター」も開発。2023年にはイギリスで、今年4月からはアメリカやカナダでも販売を開始した。
両車とも、先代ディフェンダーと同様に強固なラダーフレームを採用し、前後リジッドアクスルサスペンション(左右の車輪を1本の軸で結ぶ方式)を採用。 これらは単に懐古主義から採用したのではなく、メンテナンスしていけば長年使えるタフギアという、グレナディアの特徴を生み出す機構だ。
エンジンはBMW製の3Lガソリンターボかディーゼルターボを選ぶことができる。 8速ATを搭載し、ローレンジトランスファーと、センターデフロックを標準装備。フロントとリアのデフロックも選択可能だ。
こうして10.3インチ(約262mm)のロードクリアランスと、31.5インチ(約800mm)の最大渡河深度を備えた屈強なオフロードトラックが完成した。