杉本彩さん「納得いかない」犬452匹虐待 フレンチブルドッグ、パグを無免許で麻酔なしに帝王切開 元販売業者代表に懲役1年と罰金10万円求刑 被告側「鎮痛剤は使った」”殺傷”は無罪主張
■被告側は執行猶予付き判決求める
そして、「動物を傷つける積極的な意図は持っていなかった」「飼育環境の改善に向け従業員の人員確保など可能な限り努力していた」「被告の妻による支えが期待でき再犯の可能性が皆無である」などとして執行猶予つきの判決を求めました。
■被告「いつも犬たちの命を最優先」
最後に証言台に立った被告は、スーツの内ポケットから紙を取り出し「私はいつも犬たちの命を最優先に考え働いてきた。24時間365日、犬たちに向き合い無事に出産させることが私の仕事だった。これまでに犬を見殺しにしたことは一度もない。どうか無事に生まれてきてくれと願っていた。ただ、傷を負った犬を出してしまった、苦しませてしまった犬には謝ることしかできない。本当に申し訳なく思っています」と述べ、頭を下げました。
■杉本彩さん「正直がっかり」
被告を刑事告発し、傍聴を続けている「動物環境・福祉協会Eva」の杉本彩理事長は求刑について次のように述べました。 杉本彩理事長: 「(求刑1年は)やっぱりこの程度かというところで正直がっかりしてます。罰金10万円と懲役1年だけでは私たちだけじゃなく世の中の感覚としてこれが厳正に裁いていただいてるとは到底思えない。ブリーダー業の背景に非人道的な動物虐待が横行している。こういう動物虐待の『罪深い』ことがまだ司法には届いていない。動物虐待がこの社会にあってはならないひどい犯罪であることを社会的にもっと知っていただかなければ。利益をむさぼるために何してもいいのか、利益をむさぼって無免許で無麻酔で帝王切開する、私から言わせれば猟奇的としか思えない。こういった残虐な行為、自分の都合しか考えていない、動物を平気で犠牲にする行為に対して(被告は)言い訳の連続で到底許されない行為。動物愛護法が厳罰化されましたから、最低でも3年は求刑してほしかった。なかなか納得できない」
杉本彩理事長: 「ただ、刑事告発することによって事件化したことが唯一よかったなと思えるところではあるが、まだまだ動物虐待が厳正に裁かれる時代が来るにはまだまだやらなければいけないことはたくさんあるなと改めて感じています。一番心配なのは今後、判決がペット業界に与える印象。これだけの事をしても『あ、1年程度なんだ、狂犬病予防法違反で(罰金)10万円程度なんだ』これで終わっちゃったらペット事業者の動物虐待が軽んじられないか、業界が重く受け止めなくなるのではと危惧されます」 判決は5月10日。