エヌビディア株週内2倍強に賭けるオプション活況-YOLO勢のカジノに
(ブルームバーグ): 時価総額世界3位のエヌビディアは、「YOLO(You Only Live Once=人生は一度きり)」精神で人生を楽しむためにリスクをいとわない投資家のためのカジノと化している。
18日のオプションの動きを見ればわかる。トレーダーは、半導体メーカーのエヌビディアの株価が週末までに同日終値(約885ドル)の2倍強に達すると想定している。同社株は3桁の上げと無縁ではない。人工知能(AI)半導体への楽観的見方から2023年の上げ率は230%を超え、1年で3.3倍余りとなった。だが1週間足らずでの到達は、市場で最も人気のある銘柄といえども、かなり距離があるだろう。
午後2時-2時半にトレーダーは、行使価格1940ドル、22日満期のエヌビディアのコールを2万4000枚強、購入したもようだ。支払われた金額は計2万4000ドル(約358万円)。約900枚ごとの小口で買われ、個人トレーダーと考えられる。
こうした取引は21年のミーム株マニアを連想させる。今回、異なるのは、エヌビディアは時価総額で世界最大級の銘柄であることだ。瞬時に動き、相場がどちらの方向に向かってもトレーダーが利益を得られるような小さな銘柄ではない。
エヌビディア株がこれらのオプションの水準に近づく可能性は低いが、トレーダーはカリフォルニア州サンノゼで18日午後に開幕した年次AI会議中に株価が上昇した場合、理論的には売却で利益を上げられる。同社のジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は基調講演で、AIコンピューティングにおける同社の支配的地位をさらに強固にすることを目指した次世代チップを披露した。
エヌビディア、AI向け次世代チップ「ブラックウェル」発表
ウォーラックベス・キャピタルの株式・デリバティブ(金融派生商品)トレーディング担当ディレクター、マイケル・ベス氏は「エヌビディアは、AIトレンドに乗ろうとする投資家のお気に入りだった」とし、「同社のAI開発者会議が今週開催される間、個人の興味深い動きのようなものも目にしつつある」と指摘した。