貯蓄「100万円」、年収「400万円」の40代独身です。あと20年程度で、老後資金「2000万円」を貯められるでしょうか…?
老後の生活は年金だけではまかなえず、それ以外に2000万円が必要であるという「老後2000万円問題」が話題となりました。本当にそれだけのお金が必要かは別としても、老後までに2000万円ためておいた方が安心であるという人は多いでしょう。 今回は、貯蓄100万円、年収400万円の40代独身の人が「あと20年ほどで老後資金2000万円をためられるか」ということについて考えてみます。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの?
40代の平均的な貯蓄額と年収
最初に、40代独身で貯蓄100万円、年収400万円が平均と比較してどうなのかということをみてみましょう。国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、40~44歳の平均年収は491万円でした。45~49歳の平均年収は521万円となっています。40代で年収400万円は、平均よりも少ないといわざるをえません。 貯蓄額は、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」の結果からみてみます。同調査結果によると、40代の平均貯蓄額は657万円でした。ちなみに、中央値は53万円です。40代で貯蓄100万円は、平均と比べると大幅に少ないものの、中央値と比べると倍程度あることになります。
20年程度で2000万円をためるには
ここでは毎月、どの程度の貯金をすれば20年ほどで2000万円に届くのかを試算してみます。 総務省統計局の「令和5年 家計調査」の結果によると、単身かつ勤労者世帯のうち、35~59歳の世帯の平均消費支出額は、月あたり約20万1000円でした。ただ、住居費は約3万5000円と、一般的な家賃よりも安くなっています。 これは、持ち家の人がデータに含まれているためです。毎月の消費支出額から住居費を引いた17万円ほどに家賃を加えた金額が、賃貸に住んでいる人の平均的な消費支出額となるでしょう。8万円の物件に住んでいたとすると、毎月の支出は25万円ほどとなります。 年収400万円の人の手取りは、約320万円です。月の手取りは26~27万円ほどと推計できます。つまり、平均的な支出額であれば、毎月1~2万円ほどの黒字となる計算です。年間では12~24万円、20年間では240~480万円となりますが、2000万円にはまったく届きません。20年間で2000万円をためるには、毎月8万5000円ほどを貯金へ回さなければならない計算です。