成田凌が竹中直人との思い出を披露「チョコレートとミントタブレットを食べるたびに、竹中さんのことを思い出しています」
成田凌が、11月30日に都内で開催された映画「雨の中の慾情」公開記念舞台あいさつに、中村映里子、森田剛、竹中直人と共に登壇した。 【写真】撮影を振り返る成田凌 ■片山慎三監督が創出した独創性あふれる数奇なラブストーリー 映画「雨の中の慾情」は、つげ義春による同名短編漫画を片山慎三監督が映画化したもので、二人の男と一人の女の切なくも激しい性愛と情愛が入り交じる数奇なラブストーリー。貧しい北町に住む売れない漫画家・義男(成田)は、大家の尾弥次(竹中)から引っ越しの手伝いに駆り出される。 小説家志望の知人・伊守(森田)と共に三人で向かうと、その家で離婚したばかりの福子(中村)と出会う。艶めかしい魅力をたたえた福子に、義男は心奪われてしまう。程なく、福子と伊守が義男の家に転がり込んできて、義男は福子への思いを抱えたまま、三人の奇妙な共同生活が始まる。 登壇した成田は「熱いオファーをいただいて、この日を数年心待ちにしていたのですが、いざ(公開を)迎えてみると『これで作品が皆さんの物になるんだ』と思うと、なんだか不思議と寂しい気持ちになっています。でも、(公開から1日たち)皆さんから熱い感想をいただいていて『すごくいい映画ができたんだな。良かったな』という気持ちです」と感慨深げに語った。 また、撮影で苦労した点について「森田さん演じる伊守に『いい顔するね。義男くんは』って言われるシーンがあるのですが、台本を初めて読んだ時から『いい顔しなきゃいけない』とすごく考えました」と明かし、「リハーサルして、テストして、本番、本番、本番…と全部迷っていて、多分全部違う顔してたと思うんですけど(苦笑)」と告白した。 ■成田凌が竹中直人の独特の表現に感嘆 そんな中、撮影中に共演者の思いがけない素顔を目撃したエピソードを披露することに。 成田は「僕がミントタブレットを食べていたら、竹中さんが近づいてきて『それ何?』って聞くから、『食べますか?』って言ってあげたら、(竹中が)食べて『気持ちいいね!』っておっしゃったんです。その時に『めっちゃいい表現だな。気持ちいいんだ、これって』と思って感激したんです。以前、竹中さんとご一緒した時、チョコレートを一つくださって、『チョコレートは魔法だからね』と言われたこともすっごく覚えていて、今ではチョコレートとミントタブレットを食べるたびに、竹中さんのことを思い出しています」と打ち明けた。 成田の告白に、竹中は「そんなこと言ったんだ。覚えてないよ。年を取ったからね」と照れ隠しの高い声で返答し、会場を沸かせた。 ◆取材・文=原田健