プレーを急ぐあまり“ショットを打つ人より前に出る”人が増えた気が… 失明のおそれもある「打球事故」の恐ろしさとは?
打球事故で出血したり、失明したり、死亡するケースも
筆者が目撃した打球事故は脚や腕にボールが当たった打撲程度で済みましたが、ゴルフ場関係者の話では打球が顔に当たって出血したり、目に当たって失明、頭部に当たって死亡する事故などが実際に起こっています。 先日久しぶりにキャディーつきプレーのコンペに参加しましたが、そのときのキャディーさんはスタート前に「ショットを打つ人の前には絶対に出ないでください」と注意喚起していました。そのキャディーさんに「お客さんの打ったボールが当たったことはありますか?」と質問したところ、「何度もありますよ。めちゃめちゃ痛いですよ」と顔をしかめていました。 「私たちは4人のお客様のボールの行方を見ながら順序よくテキパキ動かなければならないので、ショットを打つ人の前に出ざるを得ない場面があります。そのときはもちろんショットの邪魔になる場所に立つことはありませんし、ボールの行方から目をそらすこともありません」 「しかしグリーン方向に飛ぶと思っていたショットがシャンクしてこちらに飛んでくると、さすがによけきれません。頭と顔を守るのが精いっぱいで、体に当たってしまうことがあります。お客様にはゴルフを楽しんでいる最中にそんな痛い思いをしてほしくないですから、ショットを打つ人の前に出ないでという注意は必ずお伝えしています」 ゴルファーのボールの行方を見守るプロフェッショナルであるキャディーでさえ、ボールをよけきれないときがあるのです。アマチュアがボールをよけられる保証はどこにもありません。ボールが飛んでこない場所で待つのが鉄則といえるでしょう。 ちなみにショットを打つ人の前方に木があるときは、木に当たって跳ね返ることもありますから、ショットを打つ人の前に出ていなくとも用心が必要です。いずれにしても打球事故が起こって良いことなんて一つもありませんから、みなさんくれぐれも安全第一でラウンドを楽しんでください。
保井友秀