森保Jへ提言…シリア戦で試すべき「3大ポイント」 上田&小川2トップ起用は“有効”の可能性【コラム】
シリア戦は9月スタートのW杯最終予選前“唯一”となるテスト機会に
2026年北中米ワールドカップ(W杯)2次予選ラストとなるシリア戦が6月11日、エディオンピースウイング広島で行われる。今年オープンした新スタジアムで初の代表戦とあって、現地はにわかに盛り上がりを見せている。 【写真】「美人すぎん?」「誰?」 日本代表“イケメン”の隣に“美女”と話題の1枚 9日のルヴァンカップでFC東京を下したサンフレッチェ広島のミヒャエル・スキッベ監督が「前日練習に私も招かれていますが、(川村)拓夢と大迫(敬介)をシリア戦に出してくれるように、森保(一)監督にお願いしてみたいと思います」と冗談交じりに笑っていたが、見てみたいポイントがいくつかあるのは確かだ。 実際、シリア戦は最終予選前の唯一のテストの場。9月以降は真剣勝負が続くため、新たなトライをする余裕はないし、新たな試みに挑むなら今回しかない。そこで以下の3ポイントを指揮官に進言したい。 ■堂安の右WB まず1つ目は、堂安律(フライブルク)の右ウイングバック(WB)。6日のミャンマー戦(ヤンゴン)後にも「3バックをやるに当たり、攻撃的な選手をウイングに置けば、より攻撃的になりますし、自分はWBもできるんで、そこは楽しみなオプション」と自らアピールしていたのだ。 そして広島移動後はその主張がより強まっている。9日の練習後、堂安は「ウチの監督(フライブルクのクリスティアン・シュトライヒ監督)はレバークーゼンみたいなサッカーを終盤はイメージしていたので、もしもそのポジションを託されれば、得点やアシストを狙う役割を担っていきたいですね」と強い意欲を示したのだ。 しかも、堂安のイメージはかなり具体的だ。 「僕はスピードでサイドを切り開いていくタイプではないので、ポジショニングやパスの精度でゲームコントロールすることが大事になる。いわゆる5レーンの一番右で支配するということ。それがフライブルクでもかなりできていると思います。 『ザ・ウイングバック』というスタイルではないけど、マンチェスター・シティを見ていても、(ベルナルド・)シルバが右サイドにいることで、スピードがなくてもボールが回っている。自分がやるとしても、シャドーの誰かやボランチ、もしくはセンターバックの右がオーバーラップしてくるかもしれないので、そういう選手と絡んで支配したいですね」とやるべきことを明確に描いているのだ。 ここまで踏み込んだ発言ができるのも、非公開練習でチャレンジしていることの表れではないか。森保監督も前日会見で「3-4-2-1システムの場合、律にはシャドーとWBのポジションでプレーしてほしい」と明言。ミャンマー戦では前者をこなしたことから、次戦は後者が有力。堂安自身にとっても代表にとっても新たな発見の機会になるだろう。 伊東純也(スタッド・ランス)の不在が続くなか、スピードや縦への推進力以外の部分で右サイドの攻撃力、得点力をいかに向上させるかというのは、1つの重要課題。堂安が右WBに入ることで解決策を見出せるだろうし、戦い方の幅が広がるという期待は大きい。 「うまい選手がハードワークして、攻守ともにチームに貢献するという部分に期待したい。全員攻守というところは現段階では絶対的に必要」と語気を強めた森保監督の基準をクリアすべく、堂安にはダイナミックなアップダウンを見せてほしいものである。