若の神降臨!青学大・若林が9・5キロで中大捉え逆転 2年連続往路Vに貢献「最高に気持ちよかった」総合Vで笑って締めくくる
「箱根駅伝・往路」(2日、大手町~箱根町芦ノ湖駐車場) やはり青学大は強かった。連覇を目指す青学大が5時間20分1秒で2年連続7度目の往路優勝を飾った。1区で10位と出遅れたものの、2区の黒田朝日(3年)が3位まで追い上げ、4区の太田蒼生(あおい)=4年=が区間賞の快走で首位の中大に接近。山上りの5区で若林宏樹(4年)が区間新をマークして逆転に成功、2位中大に1分47秒差をつけてゴールに飛び込んだ。原晋監督(57)が掲げた「あいたいね大作戦」がスバリ的中する会心のレース運び。2年連続8度目の総合優勝へ、大きく前進した。 【写真】支えられながら表彰台に上がる青学大の若林宏樹 満面の笑みで嬉しそう “若の神”が新春の箱根路に降臨した。両手を広げて往路優勝のゴールテープに飛び込んだ若林は、格別な高揚感に包まれた。「最高に気持ち良かったです」-。直後は立ち上がれないほど死力を尽くした箱根路ラストラン。夢の区間新で飾り「全員でつかんだ往路優勝。喜び“あいたい”」と晴れやかに笑った。 名将・原監督が掲げる『あいたいね大作戦』のもと、勝利の方程式がぴたりとはまった。1区・中大の大逃げは想定内。青学大は10位スタートとなったが、2区の黒田朝日(3年)が区間新の走りで3位に押し上げると、4区太田蒼生(4年)が区間賞で2位に浮上。最後は過去2度とも山上りの5区で好成績を残した若林が、9・5キロで先頭の中大を捉え、区間新で圧倒した。 主力3人を「別格」と褒めちぎった指揮官の口調はいつになく滑らかだった。「最後は若林が『若の神、ここに降臨!』という形で頑張ってくれました。本当に学生たちが努力した成果」。5区で活躍した選手に与えられる『山の神』の称号。過去の名実況をオマージュして盛大にねぎらった。 若林にとって箱根駅伝は中学生の時から焦がれた舞台。原監督に「青学じゃないと『山の神』になっても意味がないよ」と熱烈に勧誘されたことで新緑のユニホームを背負った。人生をかけた挑戦だったからこそ「これ以上熱意をかけられるものがもうない」と、大学卒業を機に競技人生を終える。「後悔はない」とキッパリ言ってのけ「大手町で笑いたい」と、優勝を見届けて物語を締めくくるつもりだ。 2位に1分47秒と大差。指揮官は“あいたいね指数”が「99%まで跳ね上がった」と自信満々に笑った。「山下りのスペシャリスト・野村が後続を30秒以上離して、ピクニックランで帰ってきたいと思います!」。大手町で、笑顔で“会いたい”-。新緑の夢を込めたたすきは復路でも一番につながれる。 ◆若林宏樹(わかばやし・ひろき)2002年9月3日、和歌山県出身。京都・洛南高3年時の全国高校駅伝では1区で3位。憧れの箱根ランナーは青学大OBで「3代目山の神」の神野大地。箱根駅伝では3度5区を走り、いずれも往路優勝のゴールテープを切っている。成績は1年時に区間3位、3年時に区間2位、4年時に区間1位で区間新。原監督の大作戦名にちなんで「会いたい」芸能人は、女優の上白石萌歌とユーチューバーの東海オンエア。168センチ、50キロ。