山口県内の社長、直近1年間で17・9歳若返る…中小企業で「代表者の高齢化を背景にM&Aが拡大」
山口県内企業の社長ら代表者の平均年齢が直近1年間で17・9歳ほど若返り、73・4歳から55・5歳になったことが民間信用調査会社のまとめでわかった。調査会社は団塊の世代が70歳代後半に入り、中小企業の合併・買収(M&A)が進んだことが要因とみている。(小林隼) 【図表】事業承継仲介サイトのイメージ
東京商工リサーチ下関支店(山口県下関市)によると、昨年8月~今年7月に県内で代表者が交代したのは、全企業1万7250社の4・2%に相当する723社。このうち年齢を把握できた116社の9割近い101社で、以前より年下の代表者が後を継いでいた。
若返りの年齢幅は、1~9歳が32社で最多となった。一方、20~29歳が31社、30~39歳が23社、10~19歳が13社で、10歳以上若返った企業が半数以上を占めた。交代前と比べて年齢が同じか上昇した企業も15社あった。
県内でも経営環境が厳しい中小企業の代表者は身内に事業を譲渡することを避け、仲介業者を通じて売却先を探す傾向が強まっている。下関支店の担当者は「円滑な事業承継には十分な準備期間が必要。代表者の高齢化を背景にM&Aが拡大して世代交代に拍車をかけた」と分析している。