『シャドウハーツII』発売20周年。前作のバッドエンディング後を描く、ギャグとパロディ、そして感動のRPG【今日は何の日?】
文:カワチ 濃いキャラクターたちが印象に残る 2004年(平成16年)2月19日は、プレイステーション2用ソフト『シャドウハーツII』がアルゼから発売された日。本日で20周年の節目を迎えました。 【記事の画像(6枚)】を見る 『シャドウハーツII』はスクウェアから独立した会社のサクノスが制作するRPGで、アルゼから発売されました。 アルゼはパチスロ・パチンコメーカーとして有名ですが、『シャドウハーツ』シリーズにはパチスロから発想を得たであろう、目押しが可能なルーレットで行動の成否が決まる“ジャッジメントリング”が搭載されています。なお、『シャドウハーツII』は実際にパチスロ化もされており、こちらは“ジャッジメントリング”が液晶のタイミング押しでBIGの獲得枚数が変化するシステムとして搭載されていました。アルゼならではのメディア展開でしたね。 本作はタイトルの通り『シャドウハーツ』の続編で前作で、ヒロインが亡くなってしまうバッドエンディングのあとのストーリーが描かれます。『シャドウハーツ』に思い入れがあった自分はバッドエンドが正史になることに思うところはあったものの、プレイしてみるとあまりに傑作だったので、いまでは思い出の1本になっています。 第一次世界大戦が始まって半年の1915年を背景に、第1部はヨーロッパ、第2部は日本を舞台にした物語が描かれます。主人公はガラの悪いウルムナフ・ボルテ・ヒューガ(通称・ウル)が続投。前作はダークな雰囲気を和ませてくれる明るいキャラクターでしたが、本作はさらにコミカルな部分が際立つようになり、ボケまくりです。ただ、仲間キャラクターたちもボケ役が多いので、ウルがツッコミに回ることも。 新ヒロインのカレン・ケーニッヒは貴重なツッコミ役で、アクの強い仲間たちの縦横無尽なボケを拾ってくれる存在でした。 仲間は吸血鬼でありながら筋肉モリモリのプロレスラーであるヨアヒム・ヴァレンティーナや、亡き娘に似せた人形のコーネリアを持ち歩くゼペットなど、濃いキャラクターばかり。なかでも忘れられないのが白狼のブランカ。声を担当するのが池田秀一さんだからなのか、とにかく某ロボットアニメのパロディが多いのが特徴です。 ギャグの展開も多いですが、主人公のウルは締めるところは締めるキャラクターで、感動的な展開も待っています。キャラクターの心の機微も上手に描かれており、ムービーシーンのクオリティが前作よりも上がっているのでとても感動します。最後はすごくよかったですね。本作における愛の意味を知りました。ほんとに。 バトルでは前述の“ジャッジメントリング”システムを基調に、仲間同士で連携してコンボを決める“連携”や、アイテムを装備することで誰でも魔法が使える“紋章魔法”などがあり、前作よりさらに戦略性が増しています。有利なシステムが追加されて難度が下がったからか、ストーリーに集中できました。 音楽は前作の光田康典氏と弘田佳孝氏に加え、伊藤賢治氏と小林友子氏も参加。すばらしい楽曲の数々がゲームを盛り上げてくれました。 2005年3月10日には完全版の『シャドウハーツII ディレクターズカット』が発売。さらに2005年7月28日には14年後が舞台の続編『シャドウハーツ・フロム・ザ・ニューワールド』が発売されました。そのあとシリーズは途絶えてしまいましたが、2022年8月に『シャドウハーツ』シリーズを開発したスタッフが集結した精神的続編の『PENNY BLOOD(ペニーブラッド)』が発表されました。発売日は決まっていませんが、どんな作品になるのか楽しみですね!
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