「住み続ける理由」探る 駒大生ら宇検村で地域文化調査 大島高生徒も参加
駒沢大学地理学科(東京都)の学生たちが6日から、鹿児島県奄美大島の宇検村で地域文化調査に取り組んでいる。初日は同村屋鈍(約30世帯・60人)の屋鈍防災会館で集落民を交えたワークショップを開催。学生たちは人口減など地域課題解決の手掛かりを見つけるべく、同集落の昔の様子や、現在の暮らしぶりなどについて聞き取りし、住民たちが「ここ(屋鈍)に住み続ける理由」を探った。 参加しているのは同学科の須山聡教授や学生、国際基督教大の学生など計22人。宇検村での地域文化調査は2014年度から実施。村内全14集落での実施を目指しており、今年は阿室、屋鈍の2集落を対象に11日まで行う。 ワークショップは午前と午後の2部構成。午前の部は屋鈍集落の高齢者ら12人が参加したほか、大島高校の生徒6人も加わった。 4グループに分かれ、学生たちの質問に住民が答える形で進められた。1965(昭和40)年ごろの集落地図(航空写真)や昔の写真も持ち寄り、それを呼び水として当時の生活や仕事、遊び、食、行事など、住民からさまざまな思い出が語られた。 駒沢大3年の四方晴喜さん(20)は「生まれてからずっと屋鈍に住み続けているというおばあちゃんから、小学生時代の青空教室や、大島紬織りと農業を両立して仕事していたことなど、いろいろな話を聞かせてもらえた」と語った。 大島高の生徒らは今後の探究活動に生かそうと、大学生らの調査活動に参加。同村湯湾の生徒は「宇検に住んでいても初めて聞く話がたくさんあった。話題をうまく掘り下げていく大学生の質問の仕方などは勉強になった」と話していた。 午後は、午前中に聞き取った内容について、学生らが住民へプレゼンテーション。現在の暮らしの課題や、その解決策についても意見を交わした。 7日は阿室集落でもワークショップを開催。8日以降は、2日間の活動で学生たちが関心を持った内容をさらに深く学ぶため、それぞれが個別調査を行う。学生たちは来年1月をめどに報告書をまとめる予定。