「光る君へ」本郷奏多、純愛貫く花山天皇の全てが崩れ落ちた瞬間振り返る
花山天皇の出家を後押ししたのが、兼家の息子・道兼(玉置玲央)。兼家を疎む花山天皇に対し、道兼は実父に虐待されているという虚言で信頼を得ることに成功。花山天皇が出家する際には自身も運命を共にすると忠誠を誓った。しかし、兼家はその日を迎えると花山天皇の剃髪を見届けるなり「わたしはこれにて失礼します」と置き去りにした。
道兼の裏切りについて本郷は「よし子を失ってつらい気持ちも理解してくれるし、あとはなんだったら道兼自身も親に疎まれているとかいう話を聞いたりして自分に近いシンパシーもちょっと感じていたと思うんですよね。周りの環境に恵まれないだったりとか人に利用されているみたいな境遇がどこか重なる点とかもあったりして、道兼は自分に重なるところもあるし信頼していたっていう感じだと思いますね。そんな大切な存在にはなから裏切る気で近づかれていたっていうことを理解した瞬間は本当にすべてが崩れ落ちるような、ショックだったんじゃないかと思います」と振り返る。
なぜ花山天皇は、側近である叔父・義懐、乳母子(めのとご)の惟成(吉田亮)を裏切り、道兼を信用したのか。
「ざっくりいうと、二人のことも好きだったと思うし、ある程度信頼はしていたとは思うんですけど、終盤の道兼ほどの理解度はなくて、「天皇、よし子さんは亡くなってしまったけど気を取り直して新しく子をつくってください」みたいな、そういうソフトのされ方が花山天皇のメンタル的には結構嫌だったのでそういう深いところまではわかってくれていないんだろうなみたいな、そういう身内のスタッフみたいな感覚だったんじゃないかなと思っていて。ざっくり大きくいうと好きだけど、最後の心のよりどころにはならなかった二人なのかなって」と、本郷は義懐・惟成と道兼の違いに触れ、「だから、もし最後の心のよりどころが道兼じゃなくてそっちの二人だったら花山天皇の結果も変わっていたかもしれないなと思います」と花山天皇の運命に思いを巡らせた。(編集部・石井百合子)