阪神 高橋遥人で2位浮上!復帰後4戦全勝 3年ぶり安打&犠打 3強独り勝ちで首位・巨人と3差
「阪神7-3広島」(13日、甲子園球場) 負けられない一戦で、勝利につながる投球を見せた救世主に、惜しみない拍手が注がれた。阪神は先発の高橋遥人投手(28)が5回2/3を4安打3失点。登板4戦4勝で広島相手には3勝目となり、チームは5カード連続初戦勝利で42日ぶりに2位に浮上した。この日敗れた首位・巨人には3ゲーム差に迫り、この勢いでアレンパに向けて戦っていく。 また勝った。高橋が自己最長の4連勝で無傷の4勝目。でも、勝利の味は少し苦かった。「六回を投げ切れずというのは申し訳ない。後ろの投手に助けられた」。復帰後最少の85球で走者を置いての降板。喜びよりも、悔しさが強かった。 初回に先頭の秋山に二塁打を浴び、1死三塁から小園の三ゴロの間に先制点を献上。六回は先頭の代打・上本に死球を与えると、堂林の適時打と坂倉の犠飛で2点を失った。2死一、二塁で交代となり5回2/3を4安打3失点。スタンドからは大きな拍手が送られたが、ベンチでは頭をかいた。 登板前日のテーマは先頭打者を出さないこと。結果的に先頭打者の出塁が失点につながった。「先頭バッターを出して、点を取られた。粘れてないですかね」。勝利から数分後、高橋は身を隠すように選手通路へ小走りでやってきた。「全然ダメ。難しいな…」。勝ちはしたが、反省の言葉ばかりだった。 前回登板の3日・中日戦(甲子園)から中9日での登板。今回は打線に助けられたが、高橋のテンポが好循環を生み出していることもある。「みんなが勝つという気持ちが強いから、僕は今日それに乗り遅れてた。もうちょっとしっかり投げたい」。野手と中継ぎに感謝しながら、次戦を見据えた。 今朝、高橋の心を揺さぶる知らせがあった。秋山の引退。「当たり前のようにいつもいてくれる存在だった。当たり前の人がいなくなるっていうのは、まだ実感ないですけど、さみしいことだと思う」。食事に連れて行ってくれた。助言もくれた。2軍での復帰戦も見守ってくれていた。負傷離脱していた伊藤稜の復帰登板を、一緒に見届けたこともあった。「本当に見本になるような先輩だった」。これからは恩返しの投球が始まる。 バットでは同点につながる、3年ぶりの安打もあった。「たまたまです」と笑ったが、バントでも勝ち越し点を演出。高校時代に“伊予ゴジラ”と称された秋山のように投打で輝きを放った。 チームは5カード連続の初戦白星で42日ぶりの2位浮上。前回は高橋の勝利から5連勝と勢いに乗った。「もっともっと良くなるように頑張りたい」。昨年、優勝を決めたのが9月14日。その“記念日”を前に挙げた価値ある勝利。残り13試合で2度、登板の可能性がある救世主の勝利から、逆転優勝への扉を開く。