福島第1原発でデブリ初回収 東電、本格的な取り出しへ分析
東京電力は7日、福島第1原発2号機で溶融核燃料(デブリ)の試験的な取り出しを完了したと発表した。2011年3月の事故後初めて。今後、茨城県の研究施設に運んで分析する。1~3号機に推計880トンあるデブリの取り出しは廃炉工程の最難関。30年代に3号機で計画する本格的な取り出しに向け、工法や保管方法の検討に活用する。しかし技術的課題は山積しており、将来の処分場も決まっていない。 東電によると、デブリは小石状で3グラム以下。すでに原子炉格納容器底部で採取し、アルミ製容器に入れてあったデブリを、午前11時40分に作業員が回収した。同じ建屋内に設置したグローブボックスと呼ばれる密閉装置に移し、重さや大きさを計測する。後日、茨城県の日本原子力研究開発機構の施設で分析する。 福島県の内堀雅雄知事は「廃炉に向けた重要な一歩だと受け止める」とのコメントを出した。 取り出し作業は8月下旬に開始予定だったが、作業ミスやカメラトラブルで中断し、10月28日に再開。30日に爪形器具で容器底部のデブリをつかんだ。