サファイアからパールへチェンジ!? エリザベス皇太后の婚約指輪にまつわる真実
『ザ・クラウン』のシーズン6では、エリザベス女王の最愛の母、クイーンマザーが亡くなります。ドラマでは、臨終の際の彼女の手に焦点が合わせられますが、そこには薬指にはめられた大きなパールとダイヤモンドの指輪が。
実際、エリザベス皇太后、いわゆるクイーンマザーがこの指輪をはめていたのは確かですが、ジョージ6世がプロポーズの際に贈ったのは、別の指輪。当時ヨーク公爵アルバート王子だったジョージ6世が、1923年11月にレディ・エリザベス・アンジェラ・マルグリート・ボーズ=ライアンへのプロポーズのために用意したのは、カシミール産のサファイアリングでした。 官報であるエクセター・アンド・プリマス・ガゼットは当時、以下のように報じました。 「公爵のご要望で、火曜日にえりすぐりのサファイアリングがバッキンガム宮殿に届けられた。翌日の午後に呼ばれたジュエラーは、婚約したペアにあたたかく迎えられ、おふたりとも3つの貴石のついた指輪―非常に美しいカシミール産のサファイアと、その両側にダイヤモンドがついたもの―を気に入り、これを選んだ、と伝えられた。サファイアはダイヤモンドよりもかなり大きく、経験豊かなあるジュエラーによれば、これほど美しい青は見たことがないそうである」。
しかし、1946年には、この指輪をはめなくなったクイーンマザー。そのかわりに身につけていたのが、『ザ・クラウン』で描かれたとおりの、パールをダイヤモンドがとりかこんだ指輪でした。
パールの婚約指輪は珍しい選択ですが、近年トレンドになりつつあります(エマ・ストーンはパールのエンゲージリングをもらっているし、ジェニファー・ロペスもベン・アフレックとの2回目の結婚式でパールの指輪を身につけています)。オークションハウス、クリスティーズ・アメリカの宝飾部門長であるダフネ・リンゴンが『タウン&カントリー』誌に語ったところによると、「パールは常にジェエリーにおける定番であり、時代や流行を超えてきました」とのこと。
後にカミラ・パーカー・ボウルズにエンゲージリングとして贈られる指輪を身につけた、クイーンマザー。 2005年にチャールズ皇太子は、かつてクイーンマザーが所有していたアールデコ調のダイヤモンドリングを持って、カミラ・パーカー・ボウルズにプロポーズ。パールのエンゲージリングではありませんでしたが、こちらもクイーンマザーが折りにふれて薬指にはめていたものでした。
Translation: mayuko akimoto From: TOWN&COUNTRY