「元上司」について語ったジョン・ケリー氏。

トランプ政権で大統領首席補佐官を務めたジョン・ケリー氏はニューヨーク・タイムズのインタビューで、トランプ前大統領がナチスドイツの独裁者ヒトラーは「良いこともした」と語っていたと話した。 ケリー氏はそういうことを言わないようトランプ前大統領に伝えたものの、大統領は再び同じことを口にしたという。 大統領選が目前に迫る中、トランプ氏に"反対の声"を上げることのリスクはかつてないほど高まっている。 アメリカ大統領選が目前に迫る中、トランプ政権で大統領首席補佐官を務めたジョン・ケリー氏はニューヨーク・タイムズのインタビューで、共和党の大統領候補に対する懸念を口にした。 「彼は『ヒトラーは良いこともした』と一度ならずコメントした」とケリー氏は同紙に語った。海兵隊出身のケリー氏は2017年から2019年まで大統領首席補佐官を務めた。 トランプ氏の発言に対し、ケリー氏は「まず第一に、そのようなことを言ってはならない」と伝えたという。 そして、このやりとりはトランプ氏が歴史をほとんど理解していないことを示しているとケリー氏は語った。 「最初から最後までヒトラーが何をしたか知っていれば、その全てが人種差別的でファシスト的な生活、つまりそうした考え方を支持するためのもので、ヒトラーがしたことは何一つ良いことではなかった」 ヒトラーに関するケリー氏とトランプ前大統領との会話は、他のメディアによって報じられていたが、ケリー氏がそれを認めたのはこれが初めてだ。 2020年の大統領選での"トランプ敗北"の内幕を描いた『Frankly We Did Win This Election: The Inside Story of How Trump Lost』（2021年）の中で、著者のマイケル・ベンダー（Michael Bender）氏は、トランプ大統領（当時）がケリー氏に対し、ヒトラーは「たくさんの良いことをした」と言ってケリー氏を「唖然とさせた」と書いている。 トランプ陣営の広報責任者スティーブン・チャン（Steven Cheung）氏は、ケリー氏の発言に反論した。 「ジョン・ケリーは彼がでっち上げた、とっくに否定されている話を蒸し返して、自分を笑い者にした。彼は首席補佐官として働いている時に大統領に十分な奉仕をすることができず、今はトランプ錯乱症候群による衰弱に苦しんでいる」とチャン氏はコメントした。