ドジャースで感じる勝ち続ける空気と指揮官の存在
2人はビッグスマイルで新記録の1本を喜んだ。5月4日のブレーブス戦。ドジャースの大谷翔平投手(29)は「日本生まれのドジャース選手としての最多本塁打」を更新。並んでいた沖縄生まれのデーブ・ロバーツ監督(51)の7本を超えた。メジャー移籍以降、大谷にとっては5人目の指揮官は、どんな人物なのか。
「基本的には選手に寄り添うタイプの監督かなと思いますけど、よくないプレーに関してしっかり改善点もそうですけど、どの選手にもアプローチ含めて話し合える関係性があると思うので、そういうメリハリのある監督かなと思います」
「よくないプレー」とは、例えば4月24日のナショナルズ戦(ワシントン)。8-2の九回1死一、三塁でセンターオーバー、フェンス直撃の二塁打で一塁走者だったベッツが、本塁打を確信したのか、ゆっくり走って三塁止まり。その後、フリーマンの中前打でホームインしたベッツに対し、ロバーツ監督は一方的な勝利の展開だったが、ベンチでは厳しい表情で迎えていた。その場で何かをいうというよりは“今の走塁、分かってるよな?!”のアイコンタクトと、背中を軽くポンとタッチしたのみ。実績あるスターの看板選手だからといっておとがめなし、まあいいか、という空気にはさせない。だからこそ、ドジャースは常勝軍団であり続け、勝利の文化が根付いている。
同地区のライバル、パドレスのダルビッシュ有投手(37)は、ドジャースの強さについて「ちゃんとした野球をやる。しっかりベースランニングをする、外野手の返球ではしっかり内野手に返す、とかそういうところ。場面、場面で何をしなければいけないか分かっている」と説明したことがある。開幕して1カ月半。大谷も肌で伝統球団の空気を感じ取っているのではないだろうか。
「前(のチーム)がどうだ、とかはないですけど、みんなプロ意識を高く持って一人ひとりが試合だけではなくて、その前の取り組み、練習もそうですし、毎日やるべきことをしっかりやっている結果じゃないのかなというのは見ていて思うので、そういう選手が多いな、というのは思いますね」