「新東名」と「圏央道」 愛知と埼玉の新区間開通の効果は?
「圏央道」首都高経由の交通量が激減
圏央道の桶川北本と白岡菖蒲の両インターチェンジ(IC)間(約10.8キロ)は、昨年10月31日に開通した。これによって圏央道の埼玉県内区間は全線開通した。 これによって東名高速・中央道・関越道・東北道が直結されるようになり、開通前に比べて都心の交通の流れは大きく変わった。首都高速道路を経由する圏央道の内側を通る車両がそれまでの9割から3割に減少し、交通経路が圏央道に振り分けられている。 東日本高速道路が発表した開通後3か月(2015年11月~2016年1月)の交通状況によると、東名・東北道間を移動する車両は、開通前は全体の92%(1日当たり4400台)が圏央道の内側にある首都高を利用するルートを選択していたが、開通後は26%(同2200台)まで減少。圏央道経由を選んだ車両は73%(同6300台)にのぼったという。 湘南への観光客も2割増えた。昨年11月に湘南海岸・江ノ島を訪れた観光客は2014年の65万人から約2割増えて76万人となった。昨年3月には神奈川県内の寒川北ICと海老名JCT間(4.3キロ)も開通。これが湘南への観光客増加に貢献したとみられる。 東日本高速道路が、栃木・群馬・埼玉・山梨・長野・新潟の6県内にあるICから、湘南地区と周辺IC(海老名、厚木、寒川北など)への移動台数を集計したところ、開通前の2014年11月は8万9000台だったが、開通後の2015年11月は約4割増の12万5000台となった。地元からは北関東のナンバープレートの車両が増えたとの声が寄せられているという。 ゴールデンウイーク中(4月28日~5月8日)の渋滞予測は、圏央道内側の東京外環自動車道での渋滞が1回減る一方、圏央道では渋滞が2回程度増加する見通しだ。 (取材・文:具志堅浩二)