「新東名」と「圏央道」 愛知と埼玉の新区間開通の効果は?
ここ半年の間に、新東名高速道路の愛知県区間と首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の埼玉県区間が開通した。交通渋滞の緩和や移動時間の短縮、地域観光への貢献などの期待を背負うこれら新区間の効果は、現時点でどの程度現れているのだろうか。また、ゴールデンウイーク期間の道路状況にはどのような影響を与えるのか。 【動画】年末年始や大型連休…高速道路の渋滞はなぜ起こる?
「新東名」並行区間の渋滞が大幅減
新東名高速道路の浜松いなさ(静岡県浜松市)と豊田東(愛知県豊田市)の両ジャンクション(JCT)間(約55.2キロ)は2月13日に開通した。 国土交通省などの資料によると、開通後1か月(2月14日~3月12日)、同区間は渋滞が大幅に緩和された。この開通区間と並行する東名高速道路の三ヶ日(同浜松市)~豊田(同豊田市)の両JCT間では、開通前の前年同時期(2月15日~3月14日)に24件の渋滞があったが、ゼロ件だった。 同区間は開通後1か月で、1日あたり4万2000台の車両が利用。東名の並行区間は前年と比べて8万9000台から4割減少した5万7000台で、東名と新東名で交通量を分担する形になった。この区間の東名、新東名、国道1号と23号を合わせた全体の交通量は約1割増の16万4000台だった。 従来、新たな道路を開通しても、利用者はすぐに利用する道路を転換しない傾向にある。開通後1か月で転換が進んだ点について、国土交通省中部地方整備局では、「事前の広報活動による周知や設備の充実などが功を奏して、転換が比較的速やかに進んだと考えている」としている。 また、新区間開通で所要時間が安定し、東名の並行区間では渋滞などによる到着時間のばらつきは開通前の14分から4分に減った。利用者からは「安定した運行管理ができるようになった」などの声に加え、観光振興の面でも「高速がつながって遠方に行きやすくなった」といった評価の声も寄せられているという。 今年のゴールデンウイーク(4月25日~5月6日)について、中日本高速道路では、新東名の開通区間と東名の並行区間では30キロ以上の渋滞は発生しないと予測している。ちなみに、昨年のゴールデンウイークは東名の並行区間で30キロ以上の渋滞が3件発生していた。