スマホは移動中の暗記学習には最適 上手に使いこなす受験勉強法とは?
一方、紙のデメリット(複数選択可)として挙げられたのは、1位「重くて持ち運ぶのが大変」(67.8%)、2位「場所を選ぶため、気軽に勉強しづらい」(55.8%)、3位「移動中に見づらい」(54.3%)ということでした。 分厚い教科書や資料集、紙の辞書を持って移動する大変さは、だれもが体験しているでしょう。スマホを利用すれば、このデメリットが解消できます。 「暗記目的で単語アプリを利用したり、学びたい部分のスクリーンショットをとって、電車の中で繰り返し覚えたりしている人が多いようです。暗記系の勉強はスマホと相性がいいと思います」(島田さん) アンケートの回答からは、スマホの使用に悩む様子も見られます。デジタル教材のデメリット(複数選択可)については、1位「学習と関係のないことをしてしまう」(77.9%)、2位「目が疲れる」(69.7%)が上位に挙がっています。 「スマホには学習系以外のコンテンツもたくさんあるので、注意しないとつい、勉強以外のことに使ってしまいます。スマホは設定によって使用時間やアプリの利用時間を制限することができます。お子さんがスマホをやめられない場合は、こうした機能の利用をアドバイスするのもいいかもしれません」(島田さん) 島田さんは、Studyplusのユーザー数が高校3年になると増えることから、「大学受験が近づいてくると、スマホの使用目的が学習にシフトするようになり、自らスマホとの付き合い方を考える高校生が多いのではないか」と分析します。
子どもと同じ目線に立って話し合うことが大事
ただ、受験生であっても、友人との連絡や情報収集などのために、スマホはある程度必要です。島田さんはこうアドバイスします。 「お子さんとスマホとの付き合い方について話すときは、こうした事情を理解したうえで、いきなり契約を解除したり、勉強に関係ないアプリを削除させたりするのではなく、『大学でやりたいことがあるんだよね。だったら勉強時間を確保しないといけないから、少しスマホの使用時間に制限をかけてみたら』などと子どもと同じ目線に立って話し合うことをおすすめします。デジタルツールに関わっている立場の回答としては意外かもしれませんが、友人や親子の信頼関係をつくるために最も大事なのは、リアルなコミュニケーションだと感じています」
プロフィール
島田 豊(しまだ・ゆたか)/スタディプラス株式会社取締役。若者の「いま」を研究するStudyplusトレンド研究所所長。オンラインゲーム企業やクラウドサービス企業で広報や新規事業開発、マーケティング、Webメディアの事業責任者などを歴任したのち現職。
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